廃止される豚の食肉処理のライン

廃止される豚の食肉処理のライン

豚のと畜頭数の推移

豚のと畜頭数の推移

 滋賀県は、県の出資法人が運営する「滋賀食肉センター」(近江八幡市)での牛・豚の食肉処理のうち、豚について来年3月末で廃止する方針を固めた。県内の養豚農家の減少などで利用が低迷。最近は年700万円の赤字が続いており、不採算部門を整理する。

■大口農家の廃業響く
 センターは2007年、県内唯一の食肉処理施設として開業。県は、それまで県外施設を利用していた養豚農家が地元へシフトすると見込み、豚の処理(と畜)数の目標を年1万5千頭と掲げた。
 当初は順調に利用を伸ばしたものの、10年度の1万655頭をピークに減少傾向に転じた。開設時に18戸あった農家が高齢化などを背景に6戸まで減ったのが主な要因で、昨年度は大口農家の廃業で年間処理数が前年比約6割減と、初めて2千頭を割り込んだ。
 県は残る5戸から事業計画を聞き取った結果、利用拡大は困難と判断し、廃止を決めた。農家側の理解も得たという。廃止に伴って生じる空きスペース約600平方メートルの利用方法については今後検討する。「近江牛」などの受け入れは続ける。
 現在、県内の飼育豚には、国の防疫指針に基づく豚コレラ(CSF)の予防ワクチン接種が続いているため、県外で食肉処理する場合、衛生管理基準を満たした施設に持ち込む必要がある。農家の運搬コストなどが増す可能性があり、県畜産課は「(処理施設との)パイプ役として農家の相談に応じたい」としている。