師走も半ば、いよいよ忘年会真っ盛りとなる。おなじみの第一生命保険のサラリーマン川柳は、かつて<忘年会図に乗り過ぎて送別会>と、浮かれぶりを皮肉ったが、その年忘れが様変わりしつつある▼クリスマスなど家族や友人らと過ごしたい年末催事は多い。仕事絡みの忘年会はせいぜい1回、2時間以内で済ませたいとの民間の調査結果もある。職場の付き合いは二の次という昨今の社会人たちのドライな感覚がうかがえる▼会員制交流サイト(SNS)でこのところ、「忘年会スルー」という言葉が共感を呼ぶ。スルーは聞き流す、無視するの意。忘年会への異議申し立てといった様相である▼勤務時間外に、しかも自腹を強いられる。「#忘年会スルー」のハッシュタグには不満や疑問が続々と。とりわけ若い世代に不評とみえる▼差しつ差されつ和やかになんて真っ平ご免。上司や先輩の説教くさい手柄話は聞きたくもない。働き方や飲み会を巡る価値観は多様化し、<遅参なき忘年会の始まれり>(前田普羅)と詠んだおおらかさは今は昔に▼年の瀬に酒をくみ交わして、過ぎゆく年の憂さを晴らす習慣は江戸の昔から、職場仲間の「ワンチーム」度を高める好機うんぬんと効用を説いても詮ないか。面倒くさい、と恐らくスルーされるに違いない。