加藤登紀子さん(京都市中京区)

加藤登紀子さん(京都市中京区)

「KYOTO地球環境の殿堂」入りし、講演する中村哲氏(2017年02月11日、京都市左京区)

「KYOTO地球環境の殿堂」入りし、講演する中村哲氏(2017年02月11日、京都市左京区)

 京都育ちの歌手加藤登紀子さんは、アフガニスタンで凶弾に倒れた中村哲さんの生前の活動に共感し、2001年から支援を続けてきた。毎年末のコンサートで、中村さんが主宰するペシャワール会の取り組みについて説明し、舞台上から聴衆に募金を呼びかけている。17日のロームシアター京都(京都市左京区)での「ほろ酔いコンサート」では、自作の曲を追悼の思いを込めて歌い、同会への支援の継続を訴えるつもりだ。京都入りを前に中村さんの思い出を語った。

 ―支援のきっかけは。

 加藤さん(以下加藤) 2000年の米同時多発テロ直後の、中村さんの「砂漠の上に爆弾を落とすのはやめてもらいたい。そこには人々が生きている」という言葉に心を打たれた。当時私は国連環境計画親善大使をしていて、(中東で)恐ろしい干ばつが起こっていることは知っていた。テロを起こす背景をたださないと根本的な解決にはならない、という中村さんの言葉がきっかけ。その翌年に初めて会いました。

 ―中村さんはKYOTO地球環境の殿堂賞を受賞。スピーチで「難民の願いは故郷で家族と暮らす、1日3度の食事をすることの二つ」と述べている。加藤さんは審査員でした。

 加藤 地球環境に対する取り組みが、賞にふさわしいと考えて推薦しました。ノーベル平和賞を受賞するべきだったとも思っています。(スピーチは)私も戦後1年あまり、大陸である種の難民生活をしていた。私たちの世代にとって3度の食事を家族と、という願いは原点であり共感する気持ちは強くあります。

 ―クリスチャンである中村さんが、イスラム教徒のために命がけで尽くした。ここから学ぶことは何か。

 加藤 シリアなど中東を巡る問題は宗教対立と考える人がいるが、そうではない。全地球的に、全部の宗教が手を携えて命を守っていかなければならない、それを中村さんは体現した。そのことをみなさんに伝えたい。

 ―18年間の交流の思い出は。

 加藤 言葉をたくさんろうする人ではないので…。ただ、中村さんが手がけたことは終わりがない。灌(かん)漑(がい)のための水路を造って緑を取り戻しても、激しい雨が降れば修理が必要になる。少しずつ現地の人が担えるようになればいいと願っていましたが…。亡くなったあと、現地がどうなってしまうのかとても心配。さしあたっては、なんとかこの事業を応援し続ける必要があると考えています。

     ◇

 ほろ酔いコンサートは、17日午後6時半開演。わずかだが残席はある。アクティブKEI・075(255)6586。