歳末の京都市中央市場は段ボールを荷台に積んだモーター車が慌ただしく行き交い、仲卸業者へ仕入れに来る小売商や料理人も増える。青果部門のせり場には、エビイモやクワイなど正月用の食材が早くも並び、早生(わせ)のミカンは最盛期を迎えた▼京都市場は、全国初の中央卸売市場として1927年12月に開設された。現在は、青果と水産の両部門に500もの品目が集まる。40年ぶりとなる大規模な施設整備工事も進んでいる▼開業の日に合わせた記念行事が、市場に隣接した見学施設で12日まで催された。開業当初からの歴史を伝える品として、「新堂」という名が刻まれた和歌山県有田市のミカン産地の木箱が展示された▼新堂地区では約50軒の生産者が、今も一級品を京都市場だけに家族単位の屋号を記して出荷している。新堂みかん出荷組合の成川正芳組合長(62)は江戸時代から続く屋号の16代目にあたる。「各家が代々の誇りにかけて最高品を競い合っている」と語る▼市場のせりに立つ仲卸業者は「屋号を信用して、品質にふさわしい高い評価の値をつける」と生産地に敬意を示す▼京の食生活と料理の文化は、全国から集まった産品のおかげで成り立ってきた。おせち料理を味わう時には、生産者と市場の目利きたちの役割に思いめぐらせたい。