ホーム最終戦後のセレモニーで山中社長(手前)があいさつする中、フロントを批判する横断幕を掲げるサポーター=10日、西京極

ホーム最終戦後のセレモニーで山中社長(手前)があいさつする中、フロントを批判する横断幕を掲げるサポーター=10日、西京極

 10日のホーム最終戦。ゴール近くのサンガサポーターからは、J2残留争いの事態となった責任を追及する横断幕が掲げられた。山中社長、小島強化部長を名指しで批判し、「京都の誇りであるこのクラブを立て直せるフロント人事の構築を」と求めた。

 批判の矛先がチームではなくフロントに向かったのは、見通しの甘さによるものだ。2015年夏に就任した山中社長の下、16年から2期連続で赤字を出して積極補強に動いたが、J1昇格を果たせなかった。3期連続で赤字になると、Jリーグからクラブライセンスが交付されない恐れがあり、今シーズンは緊縮予算を強いられた。年俸の低い外国籍選手に入れ替え、大黒らベテランを放出。開幕時の選手数はかつてないほど少なかった。

 1月の新体制発表会では、J1昇格という目標を掲げなかった。小島強化部長は「J1に上がった後も強いチームになるための土台づくり」と継続性の重視をアピールした。前年12位にとどまり、手腕を不安視する声もあった布部前監督の続投にもこだわった。

 しかし、J3降格が危ぶまれるほどの成績不振に、方針の転換を迫られた。5月に監督交代に踏み切り、高年俸のエスクデロら5選手を放出。今季加入した外国籍2選手の契約を解除し、期限付き移籍から復帰した沼と荻野も再びレンタルに出した。代わってJ1仙台で出場機会を失っていた庄司と金久保、所属クラブがなかったカイオらベテランを多く獲得。顔ぶれはがらりと変わり、別のチームになったようだった。

 監督の交代でもフロントに不手際があった。ジュロヴスキー監督が持つ海外の指導者ライセンスが、Jリーグで指揮を執るのに必要なS級ライセンスに相当するか、事前の承認手続きを済ませていなかった。このため監督就任の正式発表が遅れ、交代直後の1試合は名目上「監督不在」の状態だった。

 対応はことごとく後手に回った。山中社長は「苦しいシーズンになるだろうとは思っていたが、ここまでとは」と胸の内を明かす。今季限りで退任する小島強化部長は「結果はフロントの責任。ふがいないシーズンに終わり、サンガに関わるすべての方に申し訳なく思う」と語った。

 思い描いたはずの継続した強化はできず、「土台づくり」にはほど遠い1年だった。

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