京都府立医科大(京都市上京区)

京都府立医科大(京都市上京区)

 

都府立医科大と医療ベンチャー「幹細胞&デバイス研究所」(京都市下京区)が、患者由来のiPS細胞で神経難病の病態を再現し、治療法を見つけるプロジェクトを始めた。運動神経や感覚神経に障害が生じるシャルコー・マリー・トゥース病(CMT)が対象。患者は国内に約1万人いると推定され、病態の解明と治療薬の探索につなげる。

 CMTは、運動神経などで信号を伝える軸索を覆う部位(髄(ずい)鞘(しょう))がうまく形成されなかったり、脱落したりして神経障害を生じる病気。多くは20歳ごろまでに発症し、進行すると手足が動かせなくなったり、筋肉が衰えたりしていく。治療薬はまだ試験段階で、理学療法などの限られた対応しかできない。

 神経細胞の培養は、細胞が培地からはがれたり、凝縮したりして再現が難しかった。同社は、極細のファイバーを、方向をそろえて並べて培養の足場にする独自技術を開発した。iPS細胞から、神経細胞と、髄鞘を作るシュワン細胞を作り、一緒に培養すると、ファイバーの方向に伸びる神経が形成できるという。

 プロジェクトは2021年度まで。現在、患者15人に同意を得て血液からiPS細胞株の樹立を進めている。疾患モデルとなる神経を作成し、発症メカニズムを探るとともに、既存薬や治験薬などの中にCMT治療薬候補がないか調べる。同社は「他の神経難病についても研究を進める」(加藤謙介代表)としている。