パッケージデザインや商品名、会社名もそっくりな正規品(左側)とコピー商品=京都府茶協同組合提供

パッケージデザインや商品名、会社名もそっくりな正規品(左側)とコピー商品=京都府茶協同組合提供

 「宇治」の地名が中国国内において、中国企業などに茶関係で商標登録・出願されている問題で、京都府と宇治市、府茶協同組合などでつくる訪中団が11月下旬、中国・北京の国家知識産権局商標局を初めて訪れ、宇治茶ブランドの保護を要請した。両局の局長に宛てた西脇隆俊知事や山本正市長の文書を手渡し、「宇治」が広く知られた地名であることを示す歴史的文書なども示した。宇治市が16日の市議会で説明した。

 府茶協同組合によると、中国では「宇治」が付く茶関係の商標だけで登録済みや出願中が191件にのぼる。中国訪問は、「宇治」が歴史ある著名な地名だと証明することが商標登録での使用防止につながるとの考えに基づいて行った。山本市長は一般質問の答弁で「今回はスタートの取り組みだ。今後も引き続き、府や組合とともに主張する」とした。
 市などによると、訪中団は計10人で、府から農林水産部副部長、市は農林茶業課長、組合は理事長が参加した。北京にある日本大使館や日本貿易振興機構(ジェトロ)事務所の職員も同席した。11月21日、中国側の商標局副局長らと会ったという。
 「宇治」が世界的に知られた地名であることなどを記した府知事や宇治市長の文書、自治体間の交流があることを示す宇治市と中国・咸陽(かんよう)市との友好都市盟約書の写し、「宇治」が古くからの地名だと分かる「御堂関白記」などの書物の写しを示し、商標保護を要請した。
 山本市長は答弁で「中国側からは商標制度の説明にとどまった」とした上で、「『宇治』が(商標で)使われることは茶業だけではなく、観光、商工業、国際交流など他分野に影響が及ぶ可能性がある。国家間の問題として取り組んでもらえるよう、国にも要望したい」と述べた。