井波律子氏

井波律子氏

 「三国志」の研究で知られる中国文学者で国際日本文化研究センター(京都市西京区)の名誉教授、井波律子(いなみ・りつこ)氏が13日午後8時2分、肺炎のため京都市内の病院で死去した。76歳。富山県生まれ。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は夫で中国文学者の陵一(りょういち)氏。


 小学生の頃に京都に移り住み、京都大大学院文学研究科博士課程を修了。京大助手や金沢大教授などを経て、1995年に日文研教授に就任した。中国の歴史書や小説、詩など古典文学を幅広く研究し、「三国志演義」など翻訳も多く手掛けた。中国の古典小説を読み解いた「トリックスター群像」(筑摩書房)で2007年に桑原武夫学芸賞を受賞した。著書に「三国志演義」(岩波新書)、「論語入門」(同)、「一陽来復」(岩波書店)など多数。
 女性作家の文学作品を対象にした「紫式部文学賞」(宇治市など主催)の選考委員を務め、15年に京都市文化功労者。07年には京都新聞の朝刊1面でコラム「井波律子の一日一言」を1年間連載し、「中国名言集 一日一言」(岩波書店)として刊行された。本紙コラム「天眼」の執筆を14年から担っていた。
 今年3月に転倒で頭を強く打って入院していたが、肺炎を併発したという。