笹屋伊織

笹屋伊織

 京都市南区に本社を置く和菓子の老舗。当初は創業者名の「笹屋伊兵衛」を屋号としていたが、菓子を納めていた京都御所から「伊織」の名を授かり、明治期から現在の社名に変更したと伝わる。

 1716(享保元)年に京都で創業。それ以前、北畠親房が南朝の起点として築いた田丸城(三重県)の城下で和菓子屋を営んだ。腕を見込まれて皇族から呼ばれ、現在の七条堀川付近にあった市場「左市(さし)」に移った。

 左市で最後まで残っていた和菓子屋として「平安左市遺店菓匠最旧老舗(へいあんさしいてんかしょうさいきゅうろうほ)」の称号を受けたといい、左市のにぎわいの様子を描いた絵を菓子箱や掛け紙に用いている。

 看板商品のどら焼きは、秘伝の皮でこしあんを筒状に巻いており、丸いどら焼きの形と異なる。江戸末期、東寺(南区)の副食として銅鑼(どら)の上で焼いたといい、毎月21日の弘法市の前後3日間のみ販売している。

 ロゴは、縁起物の鶴を「笹」の文字に似せて描いている。田丸道哉社長は「新鮮な素材の季節商品を数多く展開し、全国にファンを広げたい」と話す。

 (2015年3月22日朝刊掲載)