千總

千總

 1555(弘治元)年創業の京友禅の老舗で知られる。初代の西村与三右衛門の家は先祖代々、春日大社(奈良市)に花を生ける千切(ちぎり)台を奉納する宮大工だったが、妻の実家を継いで織物業に転じた。当初の屋号は「千切屋」で、千切の「千」と12代目から襲名している「總左衛門(そうざえもん)」の「總」を用いて戦後に今の社名になった。

  創業時は法衣の扱いが主だったが、友禅染が流行した江戸中期に友禅小袖などを手掛けるようになった。明治期に入って洋装化が進む中、型友禅の技術を開発。大量生産と低価格化を実現し、画家の図案を用いることも容易になった。

 第2次世界大戦の統制下でも友禅の製造を許可され、戦後も皇族の調度品を扱うなど信用を高めてきた。仲田保司社長は「時代の変化に応じた革新のおかげで続けてこられたのでは」と話す。

 ロゴは、西村家がかつて奉納していた千切台を表す。創業460年を迎える2015年から実物の千切台により忠実なこのデザインに一新し、さらなる躍進を目指す。

 近年は、友禅柄をストールやサンダルなどに施した洋装にも取り組む。仲田社長は「古きを大切にしながら、常に新しい意匠を生み出し続けたい」と先を見据える。

(2014年12月21日朝刊掲載)