ふたば書房

ふたば書房

 「書籍は、病める時は装飾となり、苦しい時には慰めとなる」。古代ローマの哲学者キケロの言葉に感銘を受けた故洞本庄太郎氏が1930年、京都市上京区千本通上立売に「まちの本屋さん」を開店したのが始まり。

 洞本氏は銀行員だったが世界恐慌で銀行が倒産。苦境の中で救いとなったのが冒頭の一言だった。書籍の魅力を伝えようと、元行員仲間と資金を出し合い創業。倒産した銀行の労働組合「ふたば会」から社名を取り、再起を図った。

 97年に株式会社化し、2014年8月、中京区に本社移転した。ロゴマークは、本が人生の肥やしとなり、若葉のように成長していく様を表現しているという。よく見ると双葉の間には、新芽の兆しが描いてある。

 全国チェーンの大型書店による出店攻勢を受け、読書の時間や空間を豊かにする小物を集めた雑貨事業を1993年から展開。「アンジェ」など雑貨店は11店舗で、書店の15店舗に迫りつつある。

 活字離れが進むなか、洞本氏の孫の洞本昌哉社長は、書店の生き残りをかけて情報発信や連携強化に取り組んでいる。「本は最高の娯楽。面白い1冊と出会うきっかけの場として本屋を守り、育ててもらった地元に恩返ししたい」と話す。

(2014年11月16日朝刊掲載)