ロク・キョウトのスイートルーム(京都市北区)

ロク・キョウトのスイートルーム(京都市北区)

京都市内に立地、または開業予定の主なホテル

京都市内に立地、または開業予定の主なホテル

天然温泉を引き込んだロク・キョウトの温水プール(京都市北区)

天然温泉を引き込んだロク・キョウトの温水プール(京都市北区)

全客室がスイートルームの眞松庵は、和のしつらえを前面に出す(京都市左京区)

全客室がスイートルームの眞松庵は、和のしつらえを前面に出す(京都市左京区)

10月にリニューアルしたホテルグランヴィア京都のクラブラウンジ(京都市下京区)

10月にリニューアルしたホテルグランヴィア京都のクラブラウンジ(京都市下京区)

 新型コロナウイルス禍の収束を見据え、京都市内で高級ホテルの開業ラッシュが続いている。コロナ禍前は「供給過多」との指摘も出ていたが、各ホテルとも京都の観光客がいち早く回復するとの見方で一致する。既存施設も受けて立つ構えで、宿泊客の獲得競争が再び過熱しそうだ。

 京都駅(下京区)から車で約30分。緑に囲まれた北区の鷹峯エリアに9月中旬、米ホテル大手ヒルトンの「ROKU KYOTO(ロク・キョウト)」が開業した。1泊の料金は一般的なデラックスルームで1室10万円を超える。屋外に設けた温水プールは天然温泉を引き込み、年中利用できるようにした。

 10月には、左京区の岡崎エリアに四つの客室が全てスイートルームという和風高級ホテル「眞松庵(しんしょうあん)」も誕生した。伝統的な数寄屋造りの内装はアカマツや杉など国産木材をふんだんに使い、落ち着いた和の意匠に仕上げた。

 コロナ感染が広がる前の京都市内では、インバウンドの増加を追い風に、2014年の「ザ・リッツ・カールトン京都」(中京区)開業以降、「フォーシーズンズホテル京都」(東山区)、「パークハイアット京都」(同)、「アマン京都」(北区)などの外資系高級ホテルの進出が相次いだ。これに「ホテルザ三井京都」(中京区)など国内勢が続き、来年以降も帝国ホテルなどの開業が控えている。

 市内の宿泊施設数(市許可分)は14年以降の5年間で3倍以上に増えた。コロナ禍前から価格競争が激化していたが、ヒルトン日本・韓国・ミクロネシア地区運営最高責任者のティモシー・ソーパー氏は「京都は市場として堅調で、感染拡大という要因を除けばまだ供給は足りない」と指摘する。コロナ禍で消えたインバウンドについても「これまでの増加要因が失われたわけではなく、収束後の回復は他国より早い」との見通しを示す。

 9月末に緊急事態宣言が全面解除され、着実に観光客は回復している。特に京都は紅葉の本格化とともに国内客の姿が目立つようになってきた。

 新設ホテルの開業が相次ぐ中、受けて立つ既存の大手ホテルは、サービスや施設を拡充し、顧客の囲い込みに動く。ホテルグランヴィア京都(下京区)はこのほど高層階宿泊者専用のクラブラウンジをリニューアルした。面積を2・5倍に広げて座席数も2倍超の74席に増やし、飲食サービスを拡充した。佐藤伸二総支配人は「他のホテルとの違いをさらに強化し、宿泊単価を高めていく」と意気込む。