〈啓蟄〉

 寒さが緩み、穏やかな春の日差しに、外歩きに誘われます。土中で冬ごもりをしていた生き物たちが這い出してくる頃という「啓蟄」。奈良の東大寺・二月堂ではこの頃、「お水取り」が行われ、闇夜を駆ける大松明が春を呼び込むようです。

 二十四節気の一つ一つを、おおよそ5日ごとに3区分した「七十二候」では、啓蟄の半ばを「桃始笑(ももはじめてさく)」と表します。ほんのり空気を染めながら、愛らしい桃の花がふわりふわりと開きます。

◇茶花…春の息吹


【花・文】西本宗寂

【花入】赤絵 【花材】桃、菜の花

◇ヴァテカル&トレーリング


【花・文】かわべやすこ

【花材】桃、ユキヤナギ、コデマリ

 英国式フラワーアレンジメントでは、垂直に伸びるラインをヴァーテカル、下に垂れるラインをトレーリングと呼びます。この作品は桃を垂直にコデマリとユキヤナギを下垂するラインとしてアレンジしました。

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 太陽の動きをもとに、1年を24に分けて季節を表す二十四節気。春分や秋分、夏至や冬至など、私たち日本人の暮らしの節目にもなっています。美しい季節のことばに寄り添い、茶室に生ける茶花と英国式フラワーアレンジメントを、その時季の風物とともに紹介していきます。

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