梅雨晴の日はわか枝こえきらきらとおん髪をこそ青う照りたれ(『舞姫』)

雨上がり
青々と艶めく新緑の葉に心を寄せ
夜の蛍の光に恋をする
× × ×
情熱の歌人、与謝野晶子(1878~1942年)。歌集『みだれ髪』、日露戦争時に旅順包囲軍の中にいた弟を思った詩「君死にたまふことなかれ」をはじめ、『源氏物語』の現代語訳『新新訳源氏物語』などでも知られ、詩作、評論活動とエネルギッシュな人生を送りました。
中でも、生涯に残した短歌は、5万首にも及ぶとされます。生を謳歌した彼女の豊かな「うた世界」を想い、その一瞬のきらめきを収めます。