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「イナズマ」滋賀に革命 進化の10周年、西川さん語る

10周年を迎える「イナズマロックフェス」への思いを語る西川さん(東京都大田区)
10周年を迎える「イナズマロックフェス」への思いを語る西川さん(東京都大田区)

 滋賀県草津市の烏丸半島を、今年も熱狂が包む。滋賀県出身のミュージシャン、西川貴教さん(48)が2009年から始めた「イナズマロックフェス」が22~24日の3日間、開催される。「水の未来に、声を上げろ」の旗印の下、琵琶湖の環境保全と地域振興を目指した野外音楽イベントは10周年を迎える。節目を前に、西川さんが「イナズマ」に込めた思いを語った。

 -今年で10回目となる。心境は。

 「ゼロというか、何ならマイナスからイベントをつくってきた中で、毎年が試練だった。昨年、一昨年は悪天候の影響できちんと公演を行えなかった。貴重な経験を積み重ね、気が付くと10年目という感じですね」

 -続けられた理由は。

 「単なる音楽フェスではなく、地域のお祭りにしようと、行政と一体となって運営してきた。それがイナズマの個性であり、強みであり、他の音楽イベントと一線を画したものになった。年齢を問わず幅広い人に楽しんでもらえるように、ロックというジャンルだけでなく、多様なアーティストにオファーして出演してもらっている」

 -イナズマを通じて滋賀県をアピールするという目的もある。

 「家族も地元にいるし、おいっ子やめいっ子が胸を張って暮らせるようなまちにしたいと思っている。若い世代が自信を持って『自分の地元にはイナズマがある』と言ってくれるようになってきた。続けてきてよかったなあ、と思う瞬間ですね」

 -初開催までの道のりを振り返って。

 「県から『滋賀ふるさと観光大使』の委嘱を受け、わずか半年ほどで実現したので本当に大変でした。一番に考えたのは、場所の選定と地域の理解。時季を9月にしたのは、僕の誕生日(19日)を挟む形で連休があったので。誕生日って両親に感謝する日だと思っていて、こういうイベントを開けば家族への感謝を伝えやすいんじゃないかと。地元に帰って、感謝を伝える。それも自分にとっての目的でした」

 「開催当日は祈るような思いでした。関東や大都市では心配しなくて済むんでしょうけど、滋賀県で、1カ所に何万という単位の人が集まれるのかなって。実際にステージに立ち、『今まで滋賀県でこんな景色見たことない』って感じたし、だからこそ続けることに意味があると強く思った」

 -16年は雷雨のため2日目が途中で中止に。17年には異例の振り替え公演「リターンズ」を行った。

 「中止は断腸の思いでしたね。雨だけであればやめたくなかったが、安全に帰路に就いてもらうために決めた。出演予定だったUVERworldとMAN WITH A MISSIONは近しい仲間なのでその場で話し合った。振り替えみたいなことができないかと。でもフェスの振り替えって一度もないし、正直、できるのかなって。来年のことですし。いろんな案が出たが、僕が『イナズマで起きたことはイナズマで返したい』と熱く伝えてリターンズという形になった」

ドラマ生まれた

 -17年は台風接近により2日目が中止になった。

 「良くも悪くもドラマが生まれてしまっている。野外なので当然リスクを抱えているが、あの場所で、あの景色を見てもらうことに意義がある。ステージは滋賀県のシンボルである琵琶湖を背負っていて、客席からは琵琶湖を囲む環境の素晴らしさをいっぺんに味わえる。やがて日の入りを迎え、夜になって月が出て…というように。水について考えるきっかけに絶対なると思うので、少し不便ではあるが、滋賀県、琵琶湖というものを知ってもらえる場所にこだわり続けたい」

 -10周年は初の3日間で、自身も三つのアーティスト名(西川貴教、abingdon boys school、T.M.Revolution)で出演する。ファンも好天を願っている。

 「確実に積み重なり、つくり上げてきたイナズマの歴史の集大成になる。無料のステージからメインの雷神ステージに駆け上がってきたアーティストがトリを務める日もある。どんどん進化させているし、リピーターも、初めて来る方も楽しんでもらえると思う」

 「15年まではほとんど雨に降られることもなかったので、今年も『3日間だけはお願いします』という思い。ちゃんと3日間を走りきれれば、(16、17年の分が)チャラになるんちゃうかなと。10年目をいい思い出だけできちんと終えて、その先のことを考えられる。だからこそ、今年は何としても素晴らしいイナズマにしたい」

【 2018年09月20日 10時30分 】

ニュース写真

  • 10周年を迎える「イナズマロックフェス」への思いを語る西川さん(東京都大田区)
  • 「イナズマロックフェス」の10年(コンサート写真は©イナズマロックフェス実行委)
  • 右上から時計回りにAKB48(2015年)、ゴールデンボンバー(2012年)、倖田來未(2015年)、主宰の西川貴教(コンサート写真は©イナズマロックフェス実行委)
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