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多様な働き方、中堅・中小企業も模索 京都、実践事例も

多様な働き方を目指した研究活動の成果を発表した報告会。実践事例が出る一方、社会制度上の課題も浮き彫りになった(京都市中京区・ウィングス京都)
多様な働き方を目指した研究活動の成果を発表した報告会。実践事例が出る一方、社会制度上の課題も浮き彫りになった(京都市中京区・ウィングス京都)

 京都の中堅・中小企業の人事担当者らが昨秋から月1回集まり、女性をはじめとした多様な働き手を活用する人事制度を約半年間にわたり研究した。在宅勤務や生産性を高める人事評価、パート社員の戦力化という三つのテーマを設定し、専門家の助言も得ながら自社に合う手法を検討。実践事例も出始めている。一方で、社会制度の壁にぶつかり、思うように取り組みが進まなかったケースもある。

 研究活動は、結婚や出産などに伴う離職の防止や人材活用を図る目的で、京都府や経済団体などでつくる女性活躍支援拠点「京都ウィメンズベース」(中京区)が呼び掛けて始まった。テーマごとに3~6社でチームを構成。社会保険労務士ら専門家も入り、制度設計に取り組んだ。

 半年後の今月上旬、成果報告会が中京区のウィングス京都で開かれた。在宅勤務を取り上げたチームは、働き方の自由度を高めることで社員の離職を防げる利点を学び、社員が職場でない場所で働く場合の労務管理法や通信手段など、導入への課題を洗い出した。

 乳飲料製造の日本ルナ(八幡市)は、4月からの試行案をまとめ、社内で使っているIT機器や勤怠管理システムを在宅でも活用できるよう準備を整えた。分析計メーカーの京都電子工業(南区)は、福井県から長距離通勤している社員を対象に2月から試行導入。担当者は「利用者から『仕事が効率化でき、精神的ストレスが減った』と聞いている」と手応えを語った。

 生産性向上のための人事評価をテーマにしたチームでは、仕事の成果につながりやすい行動特性である「コンピテンシー」や目標管理について理解を深め、自社の制度に取り入れる方策を探った。

 精密板金の広瀬製作所(南区)は、常態化している残業を減らす目的で参加。コンピテンシーや目標管理に基づく評価規定をつくり上げた。4月から運用し、まずは賞与に評価を反映させるという。広瀬安行社長は「社員がふに落ちる制度にしたい」と意気込む。

 同社は、パート社員の戦力化チームにも参加し、正規雇用ながら勤務時間が短い「短時間正社員」を研究した。自社のパートにアンケートやヒアリングを行ったところ、正社員化に前向きな意見がある一方、社会保険の被扶養者の範囲で働きたいという声もあり、「成果を出すところまではいかなかった」(広瀬社長)という。

 助言役を務めたパリテ社会保険労務士事務所(東京)の佐藤道子代表は「パートの戦力化には制度上の壁がある」と課題を指摘した。

【 2018年03月17日 11時42分 】

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