出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

個別化医療、世界で取引加速 日本は立ち遅れ、立命大調査

 患者の遺伝子の特徴に応じて投与する薬を選ぶ「個別化医療」の分野で世界的に取引が加速していると、立命館大テクノロジー・マネジメント研究科の児玉耕太准教授と大学院生の牧野智宏さんらが発表した。欧米に比べて日本が立ち遅れている現状も浮かび上がったという。国際科学誌にこのほど掲載した。

 近年、患者の遺伝子を解析して的確な治療薬を投与する「個別化医療」が注目されている。創薬においては一つの企業だけが開発する傾向が強かったが、個別化医療では遺伝子の特徴を調べる診断薬と、治療薬を開発した別々の企業の協力が重要とされる。一方で、個別化医療の取引実態の調査はなかった。

 児玉准教授らは世界の企業取引をデータベース化した米国のサイトを分析。結果、個別化医療の取引総額は1999~2007年は54億2千万ドルだったが、08~16年には148億5千万ドルまで膨らんだと分かった。また個別化医療のベンチャー企業への投資件数は11年はほとんどなかったが、16年には約50件に達した。

 個別化医療に重要な診断薬関係のベンチャー企業の取引は1991~2016年に米国で65件、英国は5件だったが、日本は0件にとどまった。

 児玉准教授は「日本でも、研究開発のベンチャー企業への投資が活性化してほしい。今後も世界の取引の実態を調べて発信したい」と話している。

【 2018年04月11日 09時50分 】

京都新聞デジタル版のご案内

    地域の経済ニュース

    全国の経済ニュース