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滋賀県内の学生比率、全国8位に後退 人材確保など懸念

就職フェアで企業説明を聞く学生ら。滋賀県内の学生数の減少は県内企業の人材確保などに影響を与えつつある(8月16日、大津市内のホテル)
就職フェアで企業説明を聞く学生ら。滋賀県内の学生数の減少は県内企業の人材確保などに影響を与えつつある(8月16日、大津市内のホテル)

 人口比の学生数が全国3位と有数の「学生の街」だった滋賀県が、現在は8位に後退している。大学がキャンパスを都心部へ移す傾向が進み、学部などが減っているためだ。少子化に伴い、学生数の減少傾向は続くとみられ、産業界の人材確保や街の活力にも影響を与えることが懸念されている。

 8月16日に大津市内のホテルで開かれた就職説明会「滋賀ジョブフェア」。県内最大規模となる143社が参加し、県内外からスーツ姿の学生ら約130人が集まった。「有名な会社でも、自分に合わないと大変。うちは挑戦を続けられますよ」。それぞれのブースでは、社員らがそんな熱心なアピール合戦を繰り広げていた。

 主催する滋賀労働局や県などは今年、大手企業の採用活動の解禁に合わせて従来6月に開いてきたフェアを、8月にずらした。理由は「地元学生だけでなく、夏休みに帰省してきた県外の学生にも参加してほしいから」(県労働雇用政策課)。大学に進学する県内高校生の75%は県外の大学へ入っている。県内学生だけをターゲットにしていては企業の期待に応えられないとの思いがあるためだ。

 県内には1989年に龍谷大の瀬田学舎が開学するまで滋賀大と滋賀医科大しか4年制大学がなく、人口10万人当たりの学生数は全国最下位だった。その後、誘致活動が奏功し、成安造形大や立命館大などの開学やキャンパス開設、短期大の4年制化などが進んだ。

 その結果、2017年度の学生数は3万4134人。人口比の学生数は京都府、東京都、大阪府、石川県、愛知県、宮城県、福岡県に次ぐ8位になった。ただ、ピーク時の14年度は3万8358人で3位だったことに比べれば、「学生の街」としての存在感は低下しているといえる。

 特に人材供給の面での不安は大きい。県内の大学などでつくる環びわ湖大学・地域コンソーシアムのまとめでは、県内大学の卒業者が県内企業に就職した割合は19・5%(17年度)。県内の学生数が減る中、県外大学からの就職率を高める重要性が高まっている。

 そのため県は16年度から、県外の大学生に滋賀での就職を支援する協定の締結を進めている。これまでに京都産業大など11大学が賛同し、県内企業が大学で保護者向け説明会を開いたり、学生に県の就職情報提供サービスへの登録を呼び掛けたりと、滋賀に愛着を持つ学生のU・Iターンに狙いを定める。

 一方、大学生の減少は地域経済にも影を落とす。草津市内で学生マンションを経営する女性からは「うちは満室だが、家賃もかなり下げてなんとか入ってもらっている状態。築20年を超え、これからは修繕費もかさむ」と先行きを懸念する声もある。マンション自体を手放す同業者も現れ始めているという。

 少子化が進む中、新たな大学誘致は難しいとみられている。県私学振興課は「大学にとって魅力的な連携を提供できるようにしていきたい」と強調。大学が求める地域での学習の場の提供や、大学の研究成果を県内企業で活用してもらう橋渡し役といった取り組みを強化し、大学が活動しやすい県としての立ち位置を模索している。

【 2018年09月21日 12時20分 】

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