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麻製コーヒーフィルター、愛好家に人気 滋賀、手入れ簡単

リネンのみで製作したフィルター(左)とリネンと綿を混合したフィルター
リネンのみで製作したフィルター(左)とリネンと綿を混合したフィルター

 近江上布伝統産業会館(滋賀県愛荘町愛知川)が、地元特産の麻を使ったコーヒーフィルターを試作し、コーヒー愛好家から好評を得ている。綿生地などのネルドリップに比べて手入れが容易といい、同館は「麻織物の新たな顧客獲得につなげたい」と期待する。

 同町は麻織物業が盛んで、上質な麻布「近江上布」は国の伝統工芸品に指定されている。同館は、麻布の利用拡大を目指してこれまでストールや布団のシーツ、名刺入れなどの商品を開発してきた。

 フィルター製作は、昨年12月ごろ、同館と交流がある地場産業を紹介するポータルサイトの運営者から「台湾で開かれるコーヒー関連のイベントに向け、麻を材料に使ってみないか」と提案されたのがきっかけ。提案を受けて、リネン(麻)のみと、リネンと綿を半分ずつ使った2種類を試作した。

 麻は、綿などに比べて繊維がけば立たず、通気性が良いのが特長。製作に携わった同館の西川幸子さん(49)は「綿と同じく洗えば何度でも使える。綿などの一般的なネルより、コーヒーの粉が繊維にからみにくくて洗いやすい」と利点をアピールする。

 イベントは3月24、25両日にあり、リネン製を日本円で400円、混合製を300円で販売。コーヒーに関する認定資格を持つ中川亮太さん(45)=東京都=が、麻のフィルターで抽出したコーヒーを同館の依頼で来場者にふるまった。

 試飲した人の反応は上々で、用意した計21枚は2日間で完売した。中川さんは「麻はメッシュが粗い分、コーヒーの油分やうまみが抽出しやすい。雑味のないコーヒー本来の味わいが楽しめる」と話す。

 同イベントに出展した新潟市のコーヒーショップ経営者星野良緒さん(36)も麻フィルターを購入した。星野さんは「普通のネルはしっかり乾燥させないとカビが生えることがある。麻製は乾燥が早くて、管理がしやすい」と評価する。

 県内で麻フィルターを使う店舗も。東近江市五個荘金堂町の喫茶店「珈悦(こうえつ)焙煎処」では8月中頃から使い始めた。店主の吉澤和子さん(49)は「ペーパードリップは紙のにおいがコーヒーに移る場合があり、嫌う人もいる。純粋にコーヒーの香りを楽しみたい人にとって選択肢が広がる」と期待する。

 近江上布伝統産業会館は、素材の品質検査などを進めており、本年度中に販売を始めたい考え。近隣市町の喫茶店での利用を促すほか、雑貨店での委託販売も進める。国内外でのコーヒー器具のPRイベントにも積極的に出展したいとする。

 西川さんは「フィルターは、これまでの麻製品になかったジャンル。衣類や小物の麻織物に関心がなかった人にも手に取ってもらえるような展開をしていきたい」と意気込む。

【 2018年09月24日 17時00分 】

ニュース写真

  • リネンのみで製作したフィルター(左)とリネンと綿を混合したフィルター
  • 麻のフィルターでコーヒーをいれる吉澤さん(東近江市五個荘金堂町・珈悦焙煎処)
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