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全国初、タクシーが集荷と宅配 京都、人手不足解消狙い

貨客混載のイメージ
貨客混載のイメージ

 佐川急便(京都市南区)と京都府南部で営業するタクシー会社の山城ヤサカ交通(京都府京田辺市)は、人と荷物を同じ車両で運ぶ「貨客混載」事業を、29日から京都府笠置町で始める。佐川急便が戸別宅配や集荷作業をタクシーに委ね、人手不足の解消や業務効率化を図る。荷物を届けるだけでなく、集める作業までタクシーが担うのは全国初といい、過疎地域での宅配モデルケースとして注目を集めそうだ。

 「荷物の配達と預かりの両方を担ってもらえるメリットは大きい。自動化が難しい運送を異業種に補ってもらうことで、業務を効率化したい」

 26日に京田辺市であった記者会見で、佐川急便の内田浩幸取締役は力を込めた。

 新事業は、山城ヤサカ交通のタクシー運転手が佐川急便の京都精華営業所(精華町)で荷物を受け取った後、トランクに詰んだ状態で通常の運行業務を行う。空き時間を活用して笠置町へ荷物を配達。不在の場合は営業所へ返却するほか、宅配物の集荷も請け負う。

 当面は連日午前9時半~午後5時半、1台を運行する。佐川急便で宅配サービスの研修を受けた運転手5人が交代で乗務。時間の指定や冷凍・冷蔵の必要のない荷物のみ取り扱う。

 取り組みの背景にあるのが、深刻さを増す運送業界の人手不足だ。インターネット通販の普及などで、宅配業者が扱う荷物が近年増加し、ドライバーの負担も増している。同営業所から笠置町内に届ける宅配物は1日平均50個程度といい、タクシーの空き時間やスペースを活用することでその半数を任せ、ドライバーの負担軽減につなげる狙いだ。

 貨客混載は、国土交通省が昨年8月に規制を緩和し、350キロ以上の荷物でも過疎地域に限るといった一定条件を満たせば貸し切りバスやタクシーで輸送できるようになった。

 山城ヤサカ交通は、規制緩和に伴い、荷物の宅配だけでなく集荷も可能になった「一般貨物自動車運送事業」の許可を今年6月に全国のタクシー会社で初めて取得。客と荷物を1台の車両で同時に運べるようになった。

 一方、佐川急便は昨年11月、北海道旭川市で地元の乗り合いタクシーを活用した過疎地への荷物配達を開始。今年6月からは、エムケイ(京都市南区)の関西空港シャトルタクシーを利用し、旅行客らの手荷物輸送も行っている。

 佐川急便と山城ヤサカ交通は笠置町を足掛かりに、府内で貨客混載事業を広げる方針。佐川急便は府外への展開も目指す。山城ヤサカ交通の粂田晃稔社長は「タクシー利用が広がる可能性もあり、笠置地域の発展にもつながる」と期待を寄せる。

【 2018年10月27日 12時00分 】

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