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ホテルラッシュで建設残土が急増 京都、将来の受け入れに不安も

 建築現場などから出た建設残土を受け入れる「城陽山砂利採取地整備公社」(京都府城陽市)への搬入量が急増している。一因とされるのが、観光客の急増を受けて京都市内で続くホテルの建設ラッシュだ。一方、受け入れ現場では2023年度の新名神高速道路(城陽―大津間)の開通に合わせてアウトレットモールの開店が予定されている。将来、残土の受け入れに制限が出る可能性があり、建設業界から先行きを不安視する声が上がっている。

 城陽市東部の丘陵地では1960年代から、コンクリートの材料となる砂利を供給するため大量の土砂が採取された。しかし、樹木伐採による環境破壊や景観の荒廃が問題となり、京都府と城陽市、採取業者でつくる近畿砂利協同組合は89年、公社を設立し、採取地跡地への土砂の埋め戻しを進めてきた。

 搬入量は、2007年度は74万立方メートルだったが、景気低迷の影響で08~12年度に30~40万台に落ち込んだ。しかし、13年度以降は増加の一途をたどり、昨年度は約164万立方メートルと10年前から倍増した。

 理由として、公社の高田哲志事務局長は「搬入トラックの運転手や搬入元の事業者の話などから、京都市内で相次ぐホテル建設の残土が多いようだ」と指摘する。宇治田原町が運営する残土処分場が16年6月末に搬入受付を終えたことや、国土交通省が桂川で進める治水工事も影響しているという。

 一時は赤字続きだった公社の財政は、処分料収入の伸びで改善。一方、産業廃棄物の混入を監視する嘱託職員の増員などで経費が増大していることから、収益アップと搬入抑制のため昨年8月から、10トントラック1台当たりの処分料を7020円から8100円に値上げした。今年2月からは5千立方メートル以上を搬入する事業者に1カ月前までの事前協議を求めている。

 城陽市が16年に策定した東部丘陵地整備計画の見直し版では、今後の受け入れ可能な残土量の見通しは明示されていないものの、「新名神、アウトレットの建設で将来的に減るのは間違いない」(市東部丘陵整備課)という。

 府内には、自治体が運営に携わる残土処分場は他に伊根町にしかない上、民間の処分場も少ない。建設業界からは「公社の受け入れ量が減れば大阪府や滋賀県まで持って行かざるを得ず、負担が増える」との声も聞こえる。公社は「市の計画に沿って安心安全に埋め戻しを全うしたい」としている。

【 2018年12月25日 10時07分 】

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