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「近江の茶」歴史あるのになぜ知名度低い 首都圏で売り込み

「ここ滋賀」で昨年12月開かれた茶会で煎茶のいれ方を学ぶ参加者(東京都中央区)
「ここ滋賀」で昨年12月開かれた茶会で煎茶のいれ方を学ぶ参加者(東京都中央区)

 歴史ある産地にも関わらず知名度の低い「近江の茶」を、湖国の特産品として首都圏で発信する動きが盛んだ。滋賀県茶業会議所や東京滋賀県人会が中心となって、他の県産品と組み合わせるなど工夫を凝らした企画を展開。品評会での高い評価も追い風に「日本最古の茶」を懸命にアピールしている。

 「お茶のおいしい成分が入っているので最後の一滴まで絞りきりましょう」。東京・日本橋の県情報発信拠点「ここ滋賀」で昨年12月にあった茶会。参加者は湯の温度などいれ方のこつを学びながら、昨夏の関西茶品評会で農林水産大臣賞に輝いた甲賀市産の煎茶を味わった。

 滋賀は日本の茶業発祥の地ともいわれ、805年に最澄が唐から持ち帰った茶の種子を比叡山麓にまいたと伝わる。長い歴史を誇る一方、収穫された茶葉の多くは京都を経由して「宇治茶」として流通し、消費者が産地を知る機会は少ない。

 ただ品質への評価は高く、昨夏の関西茶品評会の普通煎茶部門では湖国産が1~4位を独占した。さらに首都圏では、自治体が運営するアンテナショップ巡りを楽しむ人が増えており、近年流行している独自に選んだ食材を紹介する形態のショップも「隠れた産地」の発掘に力を入れている。

 こうした機運をファンの拡大につなげようと、茶業会議所や県人会は連携し、首都圏での取り組みを活発にしている。ここ滋賀では日本文化などと一緒に茶の魅力を伝える交流会を継続的に開催。県人会の人脈を生かしてホテルや飲食店へも近江の茶を売り込む。

 PRの機会を増やすべく、茶器に用いられる信楽焼とセットで企画展を実施するなど発信の仕方も工夫する。来月には滋賀の観光資源「忍者」をテーマにしたレストランで近江牛や茶を紹介する催しを行うほか、開発中の地酒と粉末状の茶を組み合わせた「茶酒」の試飲も予定している。

 催しでは「日本最古の最高級茶葉」と銘打ち、消費者に歴史の深さや品質の高さを印象づけている。茶業会議所でPRを担当する内田真由子県人会副会長は「首都圏の人は他の人が知らない『通な情報』に敏感で、特に歴史の話に関心が高い。飲んでもらうのはもちろん、美しい茶畑景観は観光資源にもなるなど近江の茶は伸びしろが大きい」と話す。

【 2019年01月28日 14時00分 】

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