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心臓の触感、より本物に 3Dプリンターで手術用模型 

手術の練習用として販売する心臓のレプリカ(京都市伏見区・クロスエフェクト本社)
手術の練習用として販売する心臓のレプリカ(京都市伏見区・クロスエフェクト本社)

 外科手術の練習に使う精巧な臓器模型を開発する試作品製造のクロスエフェクト(京都市伏見区)とSCREENホールディングス(HD)などは15日、3Dプリンターで作った心臓模型の市販を始めると発表した。素材を工夫し、従来品よりも触感などの質感が向上。生産時間の短縮やコスト削減も図り、汎(はん)用品として医療現場での普及を目指す。

 臓器模型は、コンピューター断層撮影(CT)装置で読み取った臓器データをもとに、インクジェット方式の3Dプリンターで立体造形する。アクリル系の樹脂を使い、心臓内部の形状や質感をより本物に近い形で再現した。本番の手術さながらにメスなどで切り開いて糸や針を通せるため、医師らの技量向上にもつながる。

 これまで鋳型に樹脂を流し込んで成形していたため完成まで4~5日かかったが、今回の方法は最短で2日に短縮できるという。緊急性の高い手術に対応しやすく、製造コストも削減できる。まずは小児心疾患で典型的な4症例を再現した模型を計1千個作る計画で、病院や医療機器メーカー向けに予約受け付けを同日始めた。サンプル価格は1個5万2500円。

 クロスエフェクトは2016年、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)との医工連携による「心臓レプリカプロジェクト」をスタート。協業するSCREENHDが造形装置、化学品製造の共栄社化学(大阪市)が素材のインク剤開発を担当し、2年がかりで本格販売にこぎ着けた。

 同センターによると、先天性心疾患と診断される子どもは年間1万2千人に上り、同9600件の手術が行われているという。クロスエフェクトの竹田正俊社長は「大人用の臓器などに展開することも視野に、臓器模型のフロントランナーとして走っていきたい」と述べた。

【 2019年03月16日 09時10分 】

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  • 手術の練習用として販売する心臓のレプリカ(京都市伏見区・クロスエフェクト本社)
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