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社説:関西3空港 利点生かし役割見直せ

 関西、大阪(伊丹)、神戸の3空港の役割分担を官民で協議する「関西3空港懇談会」が、神戸空港の発着回数の上限を引き上げることなどで合意した。

 将来の国際化についても大阪・関西万博がある2025年ごろまでの検討課題に位置づけた。

 3空港を巡っては、昨年9月の台風21号で関西空港が大きな被害を受けた際、大阪、神戸両空港に発着便を受け入れるなど補完機能が改めてクローズアップされた。

 それぞれの空港が持つ利点を生かし、関西全体の利益になる活用方法を検討していく必要がある。

 懇談会の合意によると、神戸空港の発着回数の上限を現行の1日60回から80回とし、運用終了時間も午後10時から11時に延長する。

 神戸空港は現在、羽田や新千歳など7空港との間に路線がある。わずか1時間の延長でも日帰り出張や旅行の利便性は大きく向上するとの声が出ている。

 関西の空港を巡る状況はここ数年、大きく変化している。

 訪日観光客の増加で、関西空港は昨年、国際線の旅客数が過去最高を更新した。だが、大阪、神戸両空港には運用規制があり、需要取り込みには限界が指摘される。

 背景には、懇談会が05年に、大阪、神戸両空港を国内線限定と決めたことがある。長引く不況で利用が低迷していた当時の関西空港に国際線を集中させて立て直す狙いがあったとされる。

 その翌年に開港した神戸空港は海上にあって24時間運用できる強みがあったが、その利点を十分生かせない状態が今も続いている。

 東京五輪や万博を控え、訪日客はさらに増加しそうだ。3空港の将来を見据えたうえで、それぞれの役割分担を再考する時期にきているのではないか。

 肝心なのは、広域的視点で空港のあり方を考えることだ。

 神戸空港への交通の利便性は十分だろうか。新幹線など鉄道との連携を深め、京滋を含む関西全体の旅客に利用しやすい環境を整えていくことが求められる。

 懇談会では、騒音問題を抱える大阪空港の規制緩和は見送りとなった。大阪、神戸両空港の国際化については、関西空港周辺自治体からの反発も予想される。地元の意見もふまえた議論が必要だ。

 3空港は昨年4月から民間出資の関西エアポートが一体的に運営している。3空港相互のアクセス向上や商業施設の拡充など工夫の余地はありそうだ。知恵をしぼり最適な運営方法を探ってほしい。

【 2019年05月14日 13時00分 】

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