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「農地」1平方メートル以上から持てます…移住いかが?

高橋さんが移住した古民家(右)。規制緩和を受けて石段横の小さな農地を取得することができた=京都府伊根町
高橋さんが移住した古民家(右)。規制緩和を受けて石段横の小さな農地を取得することができた=京都府伊根町

 移住者を呼び込むため、京都府内で農地を「1平方メートル以上」から取得できるように規制を緩和する市町村が増えている。いずれも農家の空き家との同時取得を条件とする制度で、移住者は家と家庭菜園などができる農地を取得でき、空き家活用と耕作放棄地解消にもつながる取り組みだ。移住につながった事例はまだ少ないが、府は移住促進の手段の一つとして、市町村による取り組みの広がりに期待している。

 農地取得は、営農規模を維持するため農地法に基づき下限面積(都府県5千平方メートル以上)が定められているが、担い手が不足している地域では農業委員会の判断で大幅な緩和が認められている。

 一方、人口減少対策として移住政策が注目される中、農業以外に仕事を持つ移住希望者が家庭菜園などのために農地を求めても、原則として一定規模以上でなければ取得できないため、移住を断念するケースがあるという。

 府は2016年、空き家と耕作放棄地を活用し移住促進を目指す条例を制定。市町村の各農業委員会に規制緩和を促し、まず、伊根町が17年12月、町の空き家バンクに登録された物件との同時取得に限り農地の取得下限面積を「1平方メートル」へと緩和した。その後、舞鶴市、和束町、亀岡市も同様の制度を導入。京都市、宇治田原町、南山城村、京丹波町も検討している。

 府内への移住者は17年が552人で、年々増加傾向にある。空き家と農地をセットで取得した移住者はまだ3人だが、府はさらに多くの市町での制度導入を後押しする。府経営支援・担い手育成課は「少しでも空き家と耕作放棄地の拡大を食い止めるとともに、小さな農地で農業に触れた移住者の一部が、地域の農業の担い手になってくれることにも期待したい」としている。

■東京→伊根、移住の魅力「畑の有無で全然違う」

 伊根町で子ども向け自然体験事業に取り組む「OH halab(オーハラボ)」代表の高橋沙衣さん(24)は、6月末に農地がある町内の古民家へと移り住んだ。

 東京都新宿区出身。昨年4月、地域おこし協力隊員として同町に移住したが、住まいは町営住宅だった。本音では「古民家で暮らし、家庭菜園もできれば」と願っていた。昨年10月、知人から紹介された空き家は古民家で、約270平方メートルの農地も付いていた。条件はぴったりだった。

 以前は同町内で農地を取得するには「千平方メートル以上」が条件だったが、同町農業委員会が面積下限を「1平方メートル」に緩和していたため取得できた。

 農業経験はなく、協力隊として伊根に移り住んでから住民に教わっている。農業を本業とするつもりはないが、「都会から移り住もうと考える人間にとって、好きな野菜を育てることができる畑があるのとないのとでは、全然違う」と高橋さん。農地は家庭菜園として使うとともに、子ども向け自然体験事業の舞台として生かす。将来的には大人向けの事業も手掛ける考えで「その時にはもう少し、農地を広げてみたい」と、地域に根を下ろした生活の中で夢を膨らませている。

【 2019年09月11日 10時30分 】

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  • 高橋さんが移住した古民家(右)。規制緩和を受けて石段横の小さな農地を取得することができた=京都府伊根町
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