出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

京大、男性不妊に新治療法候補 ウイルスで遺伝子導入

 精子の形成に異常がある男性不妊症の新たな治療法の候補を開発したと、京都大医学研究科の篠原隆司教授と渡邉哲史助教らが発表した。不妊症のマウスの精巣に、安全性の高いウイルスを使って精子形成を促す遺伝子を導入した。米科学誌ステム・セル・リポーツに6日、発表する。

 日本では6組に1組が不妊症とされ、男性に原因がある一部には、精子形成を促す精巣の「セルトリ細胞」に異常があると推測されている。これまでもウイルスを遺伝子の運び屋として利用し、セルトリ細胞に精子形成を促す遺伝子を導入する治療法が検討されてきた。だが、精子に遺伝子が入る可能性が高かったり、精巣に炎症を引き起こしたりする課題があった。

 グループは、細胞内で増殖せず、炎症を起こす可能性が低い「アデノ随伴ウイルス」の使用を試みた。特定の遺伝子を欠損させた不妊マウスのセルトリ細胞に、遺伝子を組み込んだ同ウイルスを導入。約3カ月後に精子が形成され、体外受精で子どもが誕生した。子マウスにはウイルス由来の遺伝子はなかった。

 篠原教授は「ヒトの男性不妊の原因遺伝子は未解明。研究が進展すれば、今回開発した技術の応用も可能となる。ただ、不妊治療にウイルスを使った遺伝子導入が認められるかは議論が必要」と話した。

【 2018年04月06日 01時00分 】

京都新聞デジタル版のご案内

    教育・大学のニュース