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通信制高校、夢の咲く場所 「自分らしく成長できる」

モデル活動と学業を両立させようと通信制高校を選んだ宮城さん。「授業に出られなくてもサポートが充実している」と話す(京都市下京区・KTCおおぞら高等学院京都キャンパス)
モデル活動と学業を両立させようと通信制高校を選んだ宮城さん。「授業に出られなくてもサポートが充実している」と話す(京都市下京区・KTCおおぞら高等学院京都キャンパス)

 通信制高校に通う生徒が増えている。多彩な授業内容や少人数での授業に魅力を感じたり、不登校などを経験して自分のペースで学ぼうとしたりと、理由はさまざまだ。大きな夢と学業の両立を図ろうとする生徒もいる。現場を訪ね、自分らしく成長しようとする高校生に迫った。

 「自分がやってみたいことや、全日制ではできない体験ができる」。京都つくば開成高(京都市下京区)2年橋本優美さん(17)は、通信制の魅力を語る。国語や英語などの教科以外に、同高では総合的な学習の時間としてガラス工芸や茶道、華道、写真など35講座を用意する。橋本さんは進学を目指すコースだが、別の専門コースの授業も選択できる。「どの授業を受けようか、いつも悩みます」と笑顔を見せる。

 中学時代、机に座って受ける授業は好きではなかった。将来に明確につながることを学びたいとも思い、同高を進学先に選んだ。

 授業でさまざまな仕事に学ぶうち、薬剤師や医療現場の検査技師になる夢を抱くようになった。20人程度の少人数授業では教員に個別に質問しやすいといい、「苦手科目も納得することが増えた。緊張しやすい性格だったが、積極的になった」と話す。

 通信制では、近年増加傾向にある不登校を経験したり、学習障害などを抱えたりする生徒も多い。授業後の同高自習スペース。橋本さんと同じ机で一緒に教科書を開いている生徒がいた。2年西村結花菜(ゆかな)さん(16)だ。

 西村さんは中学時代、1年の春から冬は学校に通えず、2、3年の間も教室には足を運べなかった。中学校進学時に別校区に引っ越したため、同級生は知らない生徒ばかりで「人間関係がしんどくなった」という。

 同高では必修以外は生徒が選択して時間割を組み立てるので、登校しない日もある。西村さんは「自分のペースで学べる」と同高に進学。はじめは毎日は学校に通えなかったが、少人数で受ける授業に「先生と生徒との距離が近い」と感じた。1年の夏休み明け、橋本さんに話しかけられて親しくなった。「通信制には不登校や勉強で悩んだ経験のある人も多い分、みんな優しい」。西村さんは橋本さんと目を合わせ、はにかんだ。

 時間割の調整が柔軟な通信制では、学業とともに大きな夢を追う生徒もいる。

 鹿児島県の屋久島おおぞら高の生徒の学習を支援するKTCおおぞら高等学院京都キャンパス(下京区)に通う1年宮城叶好(かこ)さん(15)はモデルだ。最近は大手出版社の雑誌のグラビアを飾っている。1日3コマ、週5日通学するコースに通うが、平日も仕事で東京と京都を行き来する。「時間割に余裕がありサポート体制が充実していて、勉強に遅れず済む」。休んだ授業の内容は自主学習の時間を活用して教員や友人に聞き、課題のレポートを作成しているという。

 中学生のころから親戚が経営する着物店や美容院などでモデルを始めたが、活動のため土日の部活動の試合に参加できないこともあった。進路を決める中学3年になり「本格的にモデル活動をしたいが、朝から夕方まで毎日学校にいる全日制で大丈夫か」と不安がよぎったころ、通信制を知った。

 プロスポーツや芸能活動と学業を両立しようと通信制を選ぶ若者は多い。宮城さんは「通信制は夢を追う人や自分と考えが違う人が多く、刺激的。『自分』を持ちながら、いろいろな雰囲気を表現できるモデルになりたい」と未来を思い描く。

【 2018年08月04日 21時33分 】

ニュース写真

  • モデル活動と学業を両立させようと通信制高校を選んだ宮城さん。「授業に出られなくてもサポートが充実している」と話す(京都市下京区・KTCおおぞら高等学院京都キャンパス)
  • 勉強を教え合う橋本さん(右)と西村さん。通信制高校を選んだ理由は違うが、大の仲良しだ=京都市下京区・京都つくば開成高
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