闘病の末7歳で天国へ 「心の中で生き続けて」児童お別れ会開く
闘病の末、昨年末に7歳で亡くなった若林秋人(しゅうと)君のお別れの会が8日、通っていた陵ケ岡小(京都市山科区)で開かれた。児童会本部の子どもたち自らがプログラムを企画し、全校児童が参加。学校生活を振り返るスライドを見たり好きだった歌を歌ったりしながら秋人君をしのんだ。
両親によると2017年夏、秋人君は右手足に力が入らないように感じ、脳腫瘍の一種だと診断された。放射線治療の効果は短期的なものにとどまる、と医師から聞かされたという。
昨春、同小に立ち上がった病弱枠の特別支援学級に入学。はじめは通常の生活が送れていたが、夏ごろから症状が進んで右手が動かしにくくなり、話したり歩いたりすることも難しくなった。学校に通える日も次第に少なくなり、2学期の終業式の12月21日夜に静かに息を引き取った。
橋本年弘校長が年明けの始業式で報告したところ、同級生以外はほとんど知らず驚いたといい、児童会本部の子どもたちが「自分たちで改めてお別れ会を開きたい」と決意。ほぼ毎日集まって話し合いを重ね、準備を進めてきた。
同級生らに聞き取りをする中で、利き手でない左手を使って宿題をしたり、声が出しづらい中で学習発表会の練習に励むなど生前のひたむきな姿を知った子どもたち。「亡くなって悲しい、つらいではなく、頑張りを知って自分たちも前向きになれる会にしよう」と構成を練った。
この日は遠足や運動会、教室などでの様子を撮影した写真を皆で考えたナレーションを付けて紹介。秋人君の父がバンド活動で演奏していた曲で、本人もよく口ずさんでいたというオリジナルの歌も全員で合唱した。子どもたちは「皆の心の中にずっと秋人君が生き続けてほしい」と話していた。
【 2019年02月09日 12時29分 】