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練習は週10時間まで、顧問に時給…スペイン式で部活動改革を

スペインで学んだ事例をもとに部活動指導のあり方を考察した田中教諭(長岡京市・立命館中高)
スペインで学んだ事例をもとに部活動指導のあり方を考察した田中教諭(長岡京市・立命館中高)

 教員の働き方の観点から社会問題化する部活動のあり方について、スペインの提携校に1年間派遣された立命館中・高(京都府長岡京市)のサッカー部顧問の男性教諭が、日本と比較した考察をまとめた。効率的な練習で競技力を高められるノウハウや教員の負担を減らす合理的なシステムを目の当たりにし、「働き方改革で練習時間が少なくなる中、指導の質を高める努力をするべき」と論じている。

 田中京平教諭(37)=大津市。スペインの私学の教育活動や選手育成に定評のあるサッカー指導を学ぶため、首都マドリードにあるグレドス・サンディエゴ校に昨年4月から研修員として派遣された。

 田中教諭によると、同校の部活動は日本同様、放課後や週末に行われるが、形態は大きく異なる。部活動の運営をとりまとめる組織が学内に設けられ、専門の教員が担う。活動は週10時間までに制限し、保護者からの月謝を原資にして指導する顧問に時給を支払う。顧問を務める教員は希望制で全体の1割ほどで、9割は専門性の高い外部指導員という。

 スペインのジュニアサッカー指導者46人に理想の練習量を尋ねるアンケートも実施した。中学生年代は平均週3・04日で1回約89分、高校年代は3・43日で約96分だった。年間の総活動量で比べると、立命館中は約2・5倍だったという。

 またスペインでは草の根で活動する指導者も事前に綿密な準備を進め、短い練習時間に複合的なメニューを盛り込んでいることが分かった。「基礎練習が多い日本は土台がないと積み上がらないと考えがちだが、スペインサッカーは実戦的な練習を通して基礎も身につくようにしている。日本的な常識を打ち破らない限り、部活の長時間拘束の殻を破ることはできない」と大胆な案を出す。

 教員の長時間勤務解消に向け、部活動は「ブラック」との批判もあるが、部活動に意欲的な教員の声が反映されていない風潮に違和感を感じている。「スペインの例は部活動改革の模範解答の一つ。モデルケースとなるよう実践していきたい」と次の目標を掲げる。

【 2019年05月03日 10時30分 】

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