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血液のがん「多発性骨髄腫」酵素働きで変異解明 京大グループ

 血液のがんの一種である「多発性骨髄腫」が進行するメカニズムの一端を解明したと、京都大などのグループが9日、発表した。抗がん剤の効果を維持する新薬開発に応用できる可能性があるという。成果は英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載した。

 多発性骨髄腫は、国内では10万人に5人が発症するとされる。遺伝子の変異が蓄積することで抗がん剤が効きにくくなると考えられているが、異常が蓄積していく詳しいメカニズムは分かっていなかった。

 京大医学研究科の高折晃史教授や白川康太郎助教、山崎寛章研究員らのグループは、がん化した細胞に酵素「APOBEC3B(A3B)」が多く出ている多発性骨髄腫の患者ほど、病状が悪化しやすい傾向がある点に着目。骨髄腫の患者の培養細胞を使った実験でA3Bの働きを抑制したところ、遺伝子変異の蓄積がほとんど見られなかった。働きを抑制しない場合は蓄積し、DNAの切断なども確認された、という。

 子宮頸(けい)がんやぼうこうがんなどでも、A3Bによる遺伝子変異がみられるという。高折教授は「A3Bの働きを阻害する薬ができれば、既存の抗がん剤と併用して治療効果が続く期間を延ばせる可能性がある」としている。

【 2019年05月10日 07時00分 】

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