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角膜を体外で培養・移植、有効性確認 京都府立医大など発表

角膜内皮細胞移植の手順
角膜内皮細胞移植の手順

 京都府立医科大と同志社大のグループは、人の体内では増殖しない目の角膜内皮細胞を体外で培養して移植する臨床研究の結果を、米科学誌「ニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン」で15日発表した。全35人のうち最初の11人について2年間の経過を詳細に検討した結果、安全性と有効性をともに確認したことを報告している。

 府立医大の木下茂教授や上野盛夫学内講師、同志社大生命医科学部の小泉範子教授らの共同研究。臨床研究では、独自に探し出した薬剤を用いて第三者の角膜内皮細胞をシャーレ上で増やし、角膜が白濁して視力が低下する「水疱(すいほう)性角膜症」の患者の角膜の裏側に注入した。

 今回発表した論文では、2013年から14年にかけて移植を実施した11人について、感染症の発症や拒絶反応の有無をはじめとする安全性と、角膜の透明化や視力の回復などの有効性を検証し、すべての事例で移植由来の有害事象は発生しておらず、視力も順調に回復したとしている。

 角膜内皮細胞移植は、提供者が不足している角膜移植に置き換わる再生医療として期待を集めている。グループは現在、臨床研究の成果を基に、標準的な医療として薬事承認を得るための治験として、同様の移植と検証を続けている。木下教授は「臨床研究では、11人以外でもすべての患者で安全性と有効性を確認している。水疱性角膜症は欧米に特に多く、世界中の患者に届く医療にしたい」と話している。

【 2018年03月15日 12時40分 】

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