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「食物繊維で満腹感」仕組み一端解明 京都府立大など

食物繊維で満腹を感じる仕組み
食物繊維で満腹を感じる仕組み

 食物繊維を食べると満腹感が得られる仕組みの一端が分かったと京都府立大などの研究チームがこのほど発表した。腸内細菌が食物繊維を発酵・分解してできる物質が、内臓から脳に情報を伝える神経に直接作用し、脳の満腹中枢を刺激していた。肥満対策の創薬や機能性食品開発につながる成果という。

 食物繊維を多く取ると、カロリーが低くても満腹だと感じることが知られていたが、その仕組みは十分には分かっていなかった。

 食物繊維からは、腸内細菌によって酪酸や酢酸などの「短鎖脂肪酸」という物質がつくられる。岩崎有作教授らはマウスを使った実験で、酪酸を腹部に注射すると餌を食べる量が減ることを確認。一方、消化管から脳に情報を送る神経を切断した上で同様に酪酸を注射したところ、食べる量は減らなかった。この神経細胞を培養し、酪酸を投与したところ、直接作用することが確認された。

 これまでの研究では、短鎖脂肪酸の働きで腸や脂肪組織から特定のホルモンが分泌され、それが神経に作用したり、血液を介したりして満腹中枢を刺激することが分かっていた。今回の研究で、短鎖脂肪酸の間接的な働きではなく、神経に作用するという直接的な情報伝達経路もあることが分かった。

 岩崎教授は「食物繊維や腸内細菌に注目することで効果的な肥満対策につながる」と期待する。研究成果は米科学誌に掲載された。

【 2018年06月08日 23時11分 】

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