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両腕使いつつ脳波でアーム操作 京都の研究所、世界初 

両腕で板の上のボールをコントロールしながら、ロボットアーム(右)に脳で指示し、「3本目の腕」としてボトルをつかむ西尾主幹研究員=京都府精華町光台・ATR
両腕で板の上のボールをコントロールしながら、ロボットアーム(右)に脳で指示し、「3本目の腕」としてボトルをつかむ西尾主幹研究員=京都府精華町光台・ATR

 人が両腕を使いながら、同時に脳波でロボットアームを「3本目の腕」として操作する実験に、関西文化学術研究都市の国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)が成功した。世界初といい、米科学誌「サイエンスロボティクス」に26日掲載される。

 実験をしたのは、ATRの西尾修一主幹研究員らのグループ。脳内に思い描くことで生じる脳波で機械を操作する「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)」の技術を使った。

 BMIによるロボット操作は、使用者が身体を静止したまま精神を集中し、自分の体を動かす「運動イメージ」から出る脳波を計測してロボットを動かしていた。グループは、目的をイメージしたときの脳波を用いれば、別の動作をしながらでもロボットを操作できることを発見した。

 ボールを載せた板を両腕で動かしながら、「差し出されたペットボトルをつかむ」という目的をイメージしてロボットアームを操作する実験を、19~31歳の男女15人で行った。被験者が一体化をイメージできるよう、肩から出ている位置に設置したロボットアームを操作できるか調べたところ、うまく操作できた人が8人、できなかった人は7人だったが、できた人は85%の高い成功率だった。

 自動車を運転しながら歩行者に注意するなど複数の仕事を同時にこなす能力は、加齢や認知症によって衰える。グループは「この技術を能力を補う訓練に使えるのでは」としている。

【 2018年07月26日 03時00分 】

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