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iPSでパーキンソン病治験8月から 京大、患者募集も

iPS細胞を使ったパーキンソン病の再生医療の治験開始について説明する高橋淳教授(左端)ら=30日午後4時4分、京都市左京区・京都大医学部付属病院
iPS細胞を使ったパーキンソン病の再生医療の治験開始について説明する高橋淳教授(左端)ら=30日午後4時4分、京都市左京区・京都大医学部付属病院

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使ったパーキンソン病への再生医療の治験を計画していた京都大医学部付属病院は30日、8月1日から治験を開始すると発表した。既にホームページで患者の募集を行っている。iPS細胞を使った再生医療での治験は国内で初めて。

 パーキンソン病は脳の黒質という部分で神経伝達物質ドーパミンを出す細胞に異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞が失われて発症する。治験では、拒絶反応を起こしにくいタイプのドナーからのiPS細胞をドーパミン神経細胞に変化させ、患者の脳に移植する。

 治験対象となる患者は50歳以上70歳未満の中等症の7人。薬物治療で症状を十分にコントロールできないなど基準を満たす必要がある。頭蓋骨に穴を開け、左右の大脳に計約500万個の細胞を注入。1年は免疫抑制剤を投与し拒絶反応を抑制する。移植後2年間かけ安全性と効果を確認する。移植した細胞のがん化など副作用を慎重に見極める。

 治験を監督する医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ6月に届け出ており、政府の承認も得た。将来的には、保険適用され一般的な医療としての普及を目指す。

 iPS細胞を用いたパーキンソン病への再生医療を目指す京大iPS細胞研究所の高橋淳教授は、京都市左京区の京大病院で会見し「脳は何かあった時に重大な事態が起こる。しかし私たちには、有効性と安全性の評価を繰り返しやってきた自負がある」と語った。

 iPS細胞を使った再生医療では、実施の基準が治験より比較的緩やかな臨床研究の枠組みで、目の病気「加齢黄斑変性」の患者への移植手術が実施され、重症心不全患者へ心筋シートを移植する準備も進んでいる。

■慎重かつ迅速に進める

 山中伸弥・京都大iPS細胞研究所長の話 パーキンソン病で苦しんでおられる多くの患者がこの治験に期待を寄せられると思いますが、治験は安全性と有効性を確認することが目的です。iPS細胞を使った新しい治療法が届けられるよう、京大病院と連携して、慎重かつ迅速に研究を進めてまいります。

【 2018年07月30日 23時22分 】

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