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松枯れ深刻、天然記念物の自生地守れ 滋賀・湖南

自生地で枯れたウツクシマツを確認する委員ら(滋賀県湖南市平松)
自生地で枯れたウツクシマツを確認する委員ら(滋賀県湖南市平松)

 滋賀県湖南市は2日、国の天然記念物であるウツクシマツ自生地の保全や観光活用策を練る有識者らの計画策定委員会の初会合を開いた。松枯れ防止対策を市が確実に行うことを確認。今後3年かけて、保存活用計画を策定する。

 ウツクシマツは根元から枝が放射状に分かれた珍しい樹形で、同市平松の美松山(びしょうざん)にだけ群生する。自生地1・9ヘクタールが国の天然記念物に指定されている。1980年の調査で約250本が自生していたが、約20年前からマツクイムシの影響などで松枯れが進み、現在は移植した株も含め約150本に減った。

 市は2020年春にJR甲西駅から自生地まで市道約700メートルを新設する計画で、より効果的な保全と観光振興に向け同委員会を設置した。大学教授ら3人と地元代表3人で構成し、生育状況の調査や住民の意向聴取などを行い、20年度に報告書をまとめる。

 この日は市教委が現状を報告し、松枯れを防ぐ薬剤注入などを確実に行うことを決めた。その後、自生地を見学した。

 委員の一人で、自生地を保有する平松生産森林組合の北川久雄組合長(69)は「今までの市の取り組みは不十分だった。以前のきれいな自生地に戻ることを期待している」と話す。

 委員長の前迫ゆり大阪産業大教授(63)=生態学=は「松林再生は全国でも例がない。成功すれば最大の観光アピールになる」と語った。

【 2018年08月02日 22時47分 】

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