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葉食サルは甘味に鈍感 京大グループ、味覚受容体反応せず

インドネシアの自然保護区で葉を食べるコロブス類のサル(京都大霊長類研究所提供)
インドネシアの自然保護区で葉を食べるコロブス類のサル(京都大霊長類研究所提供)

 熟した果物などより、植物の葉を好んで食べる種類のサルは、甘味に鈍感なことを分子レベルで解明した、と京都大霊長類研究所などの研究グループが7日、発表した。舌にある「味覚受容体」が糖類に反応しないことが分かった。甘いものを好む他の霊長類と競合しないよう、食の好みが変化した可能性を示す成果として同日、日本の国際学術誌に掲載された。

 アジアやアフリカに住むコロブス類と呼ばれる葉食性のサルは、他の雑食性のサルが避ける苦い葉も食べる一方、甘く熟したものより未熟な果実を好むことが知られている。甘味を好まない霊長類は珍しいが、詳しい理由は不明だった。

 今井啓雄教授らは味覚受容体に注目した。コロブス類と、雑食性のニホンザルから、糖類に反応して甘味を感じる受容体の遺伝子を抽出。遺伝子を組み込んで培養した細胞を使って機能を比較した。ニホンザルの受容体は糖類に反応したが、コロブス類は反応しなかった。

 糖を混ぜたゼリーと、水を混ぜた甘くないゼリーを与えた観察実験では、ニホンザルは糖のゼリーを好んで食べたが、コロブス類はえり好みしなかった。

 コロブス類は苦味も感じにくいといい、今井教授は「味覚音痴になることで、他の霊長類と競合しない葉食の方向に進化したのでは」と推測している。

【 2018年09月08日 07時00分 】

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