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天橋立の広葉樹伐採へ 京都府、増加で松の景観損なう

天橋立に自生する松(奥)のすぐ近くに生える広葉樹のヤマモモ(手前の2本)。京都府は伐採する方針だ=宮津市文珠
天橋立に自生する松(奥)のすぐ近くに生える広葉樹のヤマモモ(手前の2本)。京都府は伐採する方針だ=宮津市文珠

 日本三景の天橋立(京都府宮津市)で、広葉樹が目立つようになり白砂青松の景観がピンチとなっている。松を育てるため肥料を入れたり、海流の浸食対策で山土を運んできたりした結果、広葉樹の樹勢が拡大したためだ。松並木を守るため、管理する京都府は今冬にも広葉樹の伐採や土壌の入れ替えに本格的に乗り出す。

 白砂青松の景観は雪舟が国宝「天橋立図」で描くなど古くから親しまれてきた。府丹後土木事務所によると、天橋立の松は約6400本に対し、タブノキやヤマモモなどの広葉樹(幹回り10センチ以上)は約900本自生。土壌の富栄養化で大きく枝を伸ばした木が目立つようになり、枝が松に覆いかぶさる姿も見られる。

 1970年代に松枯れ対策の一環で肥料を運び入れるなどした結果、根に比べて幹や枝が大きい松も増えた。2004年には台風23号で200本超の松が根元から倒れ、少ない根で幹が成長しすぎた松の実態が浮き彫りになった。

 これまで一部エリアで試験的に広葉樹を伐採し、5年前と比べ200本近く減らした。腐葉土の除去も試験的に行い、松の生育への影響を調べた。松への日光量が増えるなど環境が改善しつつあり、木々の減少で内から外への見通しが良くなった。一方で外観にはほとんど変化がなかった。

 結果を踏まえ、近く立ち上げる景観保全委員会で協議し、5年計画で約300本を伐採する。

 松がより深く根を張る環境を目指し、腐葉土を段階的に取り除くほか、松を多い所から少ない所へ移植する。

 同土木事務所は「天橋立の景観は人の手を加えずには維持はできない。専門家らと樹木の環境を観察しながら、本来の白砂青松の姿に戻したい」としている。

【 2018年09月29日 17時00分 】

ニュース写真

  • 天橋立に自生する松(奥)のすぐ近くに生える広葉樹のヤマモモ(手前の2本)。京都府は伐採する方針だ=宮津市文珠
  • 白砂青松の景観で親しまれている天橋立。松を守るため広葉樹の伐採や土壌の入れ替えが行われる(4月、宮津市文珠・天橋立ビューランドから望む)
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