出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

「薬のおかげでゴルフ」が幸せ ノーベル賞本庶氏会見速報③

ノーベル医学生理学賞の受賞が決まり、記者会見する本庶佑・京都大特別教授(1日午後7時32分、京都市左京区・京都大)
ノーベル医学生理学賞の受賞が決まり、記者会見する本庶佑・京都大特別教授(1日午後7時32分、京都市左京区・京都大)

 ノーベル医学生理学賞が贈られることになった、本庶佑・京都大特別教授の1日午後7時20分からの記者会見での記者との質疑応答の要旨は次の通り。

 Q 基礎研究を応用につなげる心構えは。

 A 基礎研究をやっているが、私自身は医学を志している。何かの可能性として病気の治療や診断につながらないかと常に考えている。自分の好奇心とその発展としての社会貢献は私の研究で常に考えてきた。

 Q ずっとノーベル賞候補といわれてきた。待ちに待った受賞か。

 A 賞というのはそれぞれの団体が独自の価値基準で決めることなので、長いとか待ったとかはあまり感じていない。僕はゴルフが好きでしょっちゅう行く。ゴルフ場に来るメンバーがある日突然やって来て、「自分は肺がんで、これが最後のラウンドだと思っていたのが、あんたの薬のおかげで良くなり、またゴルフできるんや」と聞いた。これ以上の幸せはない。それで十分だ。

 Q アリソン氏との共同受賞だったことについては。

 A これは極めて妥当。彼とは古い交流ある。彼の研究と僕の研究(成果)は組み合わせることで強い効果が出ると知られている。ノーベル財団の評価でも詳しく触れられている。ベストな組み合わせであると思う。しかし、まだまだ(効果が)低いレベルのがんもあるし、割と効きにくいがん種もある。発展途上です。

【午前7時53分 安倍首相からお祝いの電話】

 首相 本当におめでとうございます。日本人として誇りに思う。先生の研究のおかげで多くの患者が希望とやすらぎを得た。先生ご自身で機械を組み立てられたりして大変ご苦労されたとも聞いた。

 本庶特別教授 お金がない時はいろんな苦労をしましたけど、ちょうど政府の研究資金が段々増える時期に私の研究スタイルが変わったのでここまで来られた。

 首相 第1次安倍政権でも総合科学技術会議の委員として素晴らしい提案をいただいた。大いにご活躍されることを祈っております。

 本庶特別教授 ありがとうございました。

 Q 同級生をがんで亡くしたと聞いたが。

 A 胃がんで(京都大医学部の)同級生が若くして在学中にあっという間に死んでしまった。優秀な男だった。僕だけでなく多くの同級生が非常に残念がった。がんというのは大変な病気だと思った。そういうこと(治療)に少しでも貢献できればいいなと思った。そういういろんなことが積み重なって、自分の心の中で大変な病気に役立つことにつながればいいなと。医学部で教育を受けた者はだれもそう思う。それが重要だ。

 Q 恩師の早石修先生(京大名誉教授・故人)への思いは。

 A 早石先生は、戦後長いこと米国で研究して京大に帰ってきて、日本の生化学の新しいページを開いた。そこで多くの人が学びたいと全国から集まり、その中でわたしもいろいろもまれた。同級生の中西重忠氏など、たくさんの業績を挙げた弟子を育てた。「サイエンスは国際的に自分の研究がどの位置にあるか考えていないと自己満足になる」という言葉が、一番の若い時の基礎になった。

 Q 今一番したいことは。

 A 一番したいのはエージシュート。ゴルフのスコアで自分の年齢と同じで回る。76を出すのが最大の目標。努力は筋トレと毎週欠かさずゴルフをやること。家でパターの練習をすること。

【 2018年10月01日 21時45分 】

ニュース写真

  • ノーベル医学生理学賞の受賞が決まり、記者会見する本庶佑・京都大特別教授(1日午後7時32分、京都市左京区・京都大)
京都新聞デジタル版のご案内

    環境・科学のニュース