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核ゴミ再利用へ放射能濃度基準を試算 京大グループ

 高レベル放射性廃棄物に含まれるレアメタル「パラジウム」を工業的に再利用するための放射能濃度基準を試算したと、京都大のグループが発表した。使用済み核燃料を処理して生じる廃棄物の減少に応用できる可能性があるという。成果は日本原子力学会誌にこのほど掲載した。

 原子力発電所の運転の結果生じる高レベル放射性廃棄物は国内で約千トンあるとされるが、現状では地下に埋める計画で、廃棄物に含まれるレアメタルの再利用は検討されていない。グループは廃棄物の量を減らし、さらに自動車の排ガス浄化などに使われるパラジウムの再利用を進めようと基準を試算した。

 京大複合原子力科学研究所(大阪府熊取町)の高橋千太郎教授らは、日本で生活する中でパラジウムが使われる機会や量を、過去の論文や実験を元に算出。廃棄物に含まれるパラジウム1グラム当たりの放射能を3千ベクレル程度までに抑えられれば、国の基準放射線量を下回り、一般社会に活用できると試算できたという。

 高橋教授は「実現すれば輸入に頼るパラジウムの確保につながるが、放射性廃棄物の再利用が社会的に受け入れられるかはまだ議論が必要だ」と話した。

【 2018年10月10日 22時51分 】

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