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「免疫療法で病気撲滅を」 ノーベル賞本庶さん、がん治療講演

免疫を活性化させるがん治療の今後の展望を語る本庶さん(神戸市中央区)
免疫を活性化させるがん治療の今後の展望を語る本庶さん(神戸市中央区)

 ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった京都大特別教授の本庶佑(ほんじょたすく)さん(76)が19日、神戸市内のホテルで免疫によるがん治療の現状について講演を行った。生物の進化を振り返りながら、「進化はがんに対する治療法として免疫を与えてくれた。想定外の幸運だった」と語った。

 本庶さんは、免疫細胞で働くタンパク質「PD1」を発見し、画期的ながん治療薬「オプジーボ」の開発を主導した。講演では、PD1をターゲットとした治療法が大きな可能性を秘めている一方、効果が見られない患者もいることを指摘。「治る人とそうでない人を早めに見極めることが重要」と説明した。

 また、ミトコンドリアという細胞内の器官を活性化することで、PD1を標的とした治療効果をさらに高めるという手法も紹介し、現在も改良が進む治療戦略を解説した。がん免疫療法は手術や化学療法、放射線療法に比べるとまだ主流ではないとした上で「がんが免疫療法によってコントロールされるようになり、病気の撲滅につながってほしい」と希望を語った。

 その後の記者会見では、「医療は実用化まで長い時間がかかる点が、自動車などの産業と違う」と指摘。従来の発想にとらわれず、長い目で実用化に向けて取り組む必要性を強調した。

 講演会は、本庶さんが理事長を務める「神戸医療産業都市推進機構」と神戸市が、神戸医療産業都市の20周年を記念し開催した。

【 2018年10月19日 23時07分 】

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