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かつて全国シェア7割、琵琶湖の稚アユ低迷 他県に押され2割弱

アユ漁解禁日に河川放流用などに捕獲した稚魚(12月1日、近江八幡市の湖岸)=滋賀県提供
アユ漁解禁日に河川放流用などに捕獲した稚魚(12月1日、近江八幡市の湖岸)=滋賀県提供

 河川放流用に出荷される琵琶湖産の稚アユ(種苗)の全国シェアが低迷している。近年、他県の人工種苗に押されて20%台で推移してきたが、アユの記録的不漁に見舞われた2017年は過去最低の17%にまで落ち込んだ。琵琶湖産のブランド力低下が危ぶまれる中、滋賀県はPRに力を注ぐがシェア回復は容易でない。

 県内の川でふ化し、琵琶湖で5センチ程度に育ったアユを、主に近畿、東海、関東地方の河川漁協からの注文に応じて漁業者が捕獲。放流用として毎年販売している。

 なわばり意識が強いことから友釣りで釣れやすい上、皮が軟らかく味わいも良いと、釣り客らの間で根強い人気があるという。1970年代には琵琶湖産は全国シェア70%台を誇る「一大ブランド」だった。だが90年代に入ると、全国各地で人工的に産卵させる種苗生産施設による増産が進み、こうした人工種苗の出荷量が20倍以上に急増した。

 一方で友釣りファンの減少や冷水病の発生もあって琵琶湖産は需要が減り、92年の約750トンをピークに2005年以降は200トン前後に出荷量が低迷。さらに昨年は少雨の影響などによる記録的不漁で約140トンに落ち込んだ。人工種苗のシェアが70%台に乗ったのに対し、琵琶湖産は初めて20%を切った。残りの10%弱は海や他の河川産だ。

 県はシェア低下に歯止めをかけるため、昨年から関係団体の機関誌やSNS(会員制交流サイト)などを通じて琵琶湖産の魅力や資源回復の状況を発信し始めた。県水産課は「全国の河川漁協からは琵琶湖産の良さを見直す機運も感じられる。安定した資源確保に努め、地道に琵琶湖産の魅力を積極的にアピールしていきたい」としている。

【 2018年12月17日 20時23分 】

ニュース写真

  • アユ漁解禁日に河川放流用などに捕獲した稚魚(12月1日、近江八幡市の湖岸)=滋賀県提供
  • 稚アユの琵琶湖産シェア水位
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