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ヨウ素剤服用、0~9歳児の6割程度 「丁寧な効果説明必要」

 東京電力福島第1原発事故後、福島県三春町が内部被ばくを防ぐ目的で町民に配布した「安定ヨウ素剤」を服用した0~9歳児(当時)は6割程度だったことが分かったと、京都大などのグループが発表した。年少だったり保護者が飲まなかったりした子どもほど服用しなかった傾向が高く、安定ヨウ素剤の効果や服用方法を丁寧に説明する必要が明らかになったという。

 安定ヨウ素剤は放射線災害時、内部被ばくを防ぐための重要な手段の一つとされる。同原発から西へ約50キロにある三春町は事故後の2011年3月15日、40歳未満の住民や妊婦のいる世帯の約95%に配布。一方、実際にどの程度服用したかの詳しい調査はなかった。

 京大医学研究科の中山健夫教授や高橋由光准教授、同大学院生でひらた中央病院(同県)などで勤務する内科医の西川佳孝さんらのグループは、2017年に行われた三春町の小児甲状腺検診で、同町の全小中学生1237人のうち961人をアンケート調査。アンケートには保護者が回答した。すると、351人が服用しなかったことが分かった。また事故時に2歳以下だった子どもは3歳以上と比べて服用していない傾向が高く、服用しなかった子どもの保護者の約9割が安定ヨウ素剤を飲んでいなかったことが判明した。

 服用しなかった理由では「安全性への不安」との回答が半数近くを占めた。効果や副作用についての情報の少なさや、錠剤で飲みにくいなどの課題を挙げる意見が目立った、という。

 原発の近隣自治体では安定ヨウ素剤の備蓄を進めているが、西川さんは「服用した子どもが少ないと感じている。薬剤の効果や錠剤を飲めない乳幼児のための服用方法についても時間をかけて説明することが望ましい」としている。成果は米科学誌「ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム」に掲載した。

【 2019年01月10日 22時50分 】

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