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腎臓病線維化、実はプラス? 京大グループが発表

 慢性腎臓病の進行に伴い腎臓の組織が硬くなる「線維化」に伴って作られる物質の新たな働きを見つけたと、京都大のグループが発表した。線維化は腎臓病を悪化させると考えられてきたが、修復に関係する可能性があることが分かり、これまで開発が試みられてきた治療法を再検討する上で重要な知見という。成果はこのほど、国際科学誌「キドニー・インターナショナル」に掲載した。

 慢性腎臓病は10人に1人が患う。多くの場合で尿が通る腎臓内の「尿細管」に障害が起き、その周辺にある「線維芽細胞」が線維化を引き起こす。これまで線維化を治療する薬の開発が試みられてきたが、実用化されていない。

 京大医学研究科の柳田素子教授らのグループはマウスなどを使った実験で、健康な尿細管で作られる「レチノイン酸」と呼ばれる物質に、尿細管の細胞増殖を促して修復する働きがあることを突き止めた。また病気の腎臓では尿細管の代わりに、線維芽細胞が線維化の過程でレチノイン酸を作っていることが分かった。

 柳田教授は「重度な線維化では治療が必要な場合もあるだろうが、線維化が全て悪いわけではないことが示唆された」としている。

【 2019年01月25日 13時36分 】

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