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年に一度「琵琶湖の深呼吸」に遅れ 暖冬影響か、低酸素化の懸念

琵琶湖の酸素濃度や水温を計測する琵琶湖環境科学研究センターの職員=同センター提供
琵琶湖の酸素濃度や水温を計測する琵琶湖環境科学研究センターの職員=同センター提供

 「琵琶湖の深呼吸」と呼ばれ、酸素を多く含む表層の水と下層の水が混ざり合う年に一度の琵琶湖の現象「全層循環」を終える時期が、今年は遅れている。北湖では7日時点で確認できていない地点があり、3月にずれ込むのは2000年以降で3度目。暖冬が主な原因とみられ、研究者は湖底が低酸素状態にならないか注視している。

 全層循環は、気温の低下や雪解け水の流入などで表層の水が冷えて比重を増し沈み込む現象で、北湖では冬に起きる。酸素濃度の低い湖底に酸素を供給し、生態系を維持する役割がある。例年2月までに北湖全域で確認されるが、07、16年は遅れて3月になった。

 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)の今月4日の調査によると、高島市・今津沖の「第一湖盆」と呼ばれる地点では、水深90メートルに対し70~80メートルまでしか表層の水が達していなかった。第一湖盆以外では全層循環を確認済みという。

 同センターは「暖冬で水温が下がりにくいことが原因」とみている。北湖の今年1~2月の表層水温は平年より1度ほど高い。夏の猛暑で水温が30度を記録した影響もあるという。

 第一湖盆の底層にはイサザやヨコエビなどが生息する。湖底の酸素濃度は現在、全層循環が起きた場合の3分の1程度だが「貧酸素」の基準には達していない。同センターの山田健太主任技師は「現状では生態系への影響はみられないが、酸素濃度が未回復の水塊がどうなるのか注視したい」と話している。

【 2019年03月14日 10時27分 】

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  • 琵琶湖の酸素濃度や水温を計測する琵琶湖環境科学研究センターの職員=同センター提供
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