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本庶氏「オプジーボ特許公正対価を」 契約不満で26億円受けず

オプジーボの特許契約について説明する会見で腕組みをする本庶教授(10日午後4時18分、京都市左京区・京都大)
オプジーボの特許契約について説明する会見で腕組みをする本庶教授(10日午後4時18分、京都市左京区・京都大)

 免疫を制御する分子PD1を発見し、がん治療薬オプジーボの開発につなげたとしてノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授(77)らは10日、京都市左京区の京大で会見した。オプジーボを販売する小野薬品工業と結んだ特許に関する契約では公正な対価を得られないとして、「国際的に通用する産学連携をしてほしい。将来、小野薬品工業にも(研究成果が)返ってくる」と協議を呼び掛けた。

 本庶教授の代理人を務める井垣太介弁護士らも出席。昨年12月までに同社から本庶教授へ計約26億円が支払われたが、契約に不満があるため受け取っていないことを明かした。販売からの約4年で同社には、オプジーボに関連し約4千億円の収益があったとして、著しく研究者への対価が低いと訴えた。

 本庶教授と同社による特許に関わる契約は2006年に交わしたが、当時は京大に十分なノウハウがなく、本庶教授側も弁護士を入れないままで契約したと説明。井垣弁護士は「契約が公正か、実質的に判断はできなかった」と指摘した。

 本庶教授は「小野薬品工業とはPD1以外のプロジェクトを一緒にしてきており、信頼できる関係と思っていた」と語った。また、PD1研究に関する同社の貢献について本庶教授は「国からの研究費と比べて10分の1くらい。大学発の研究成果だ」と述べた。

 本庶教授は、若手研究者を支援するために設立された京大の基金に、特許に関する自身への収入を充てる意向を示している。「公正な産学連携のモデルを作らないと日本のライフサイエンスが駄目になる。京都大だけの問題ではない」と強調した。

【 2019年04月10日 21時20分 】

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