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IPCC、改定ガイドラインを公表 温室ガス算定、より正確に

改定されたガイドラインについて説明する田辺清人IPCCインベントリータスクフォース共同議長(右)やホーセン・リーIPCC議長(左)ら=京都市左京区
改定されたガイドラインについて説明する田辺清人IPCCインベントリータスクフォース共同議長(右)やホーセン・リーIPCC議長(左)ら=京都市左京区

 京都市内で総会を開いていた「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は13日、地球温暖化の要因となる温室効果ガス(GHG)の算定方法に関するガイドラインを改定し、方法論報告書にまとめて採択・受諾したと発表した。これまでカバーされていなかった水素の製造に伴う排出量の計算方法を新たに追加。石炭の採掘や輸送で漏れ出したり、森林開発によって変化したりするGHGも、より正確に分かるようにした。GHGの実情把握のため、観測衛星のデータを活用する方針も盛り込んだ。

 左京区のホテルで同日、IPCCの代表者らが記者会見し、概要を公表した。

 ガイドラインはGHGの排出・吸収量を計算する上での係数を定めており、現行のものは1996年と2006年に作られた。一方で新たな製造過程や科学的知見が生まれたことから、改良の必要があった。先進国にGHG削減に取り組むよう定めた京都議定書に代わり来年からの地球温暖化対策を定める「パリ協定」では、195の全ての参加国・地域に06年版と改定版のガイドラインに基づいてGHGの目録を作成するよう求めており、今後の締約国会議の議論を経て実際に運用されることになる。

 改定されたガイドラインでは、水素などの製造で生じるGHGに関する項目を新たに盛り込んだ。エネルギー関連では、石炭の採掘や石油、天然ガスの試掘などで漏れ出すGHGの計算指標を追加・更新。森林を農地にするなど土地利用の変化に伴う排出量の計算方法も更新した。算定の質を高めるため、大気中のGHG濃度を観測する衛星を活用するとし、環境省や国立環境研究所などが運用する観測衛星「いぶき」や「いぶき2号」にも言及した。

 会見したIPCCのホーセン・リー議長は「最新の科学的知見によって、(GHGの)算定プロセスの透明性を高めることが、パリ協定の成功に結びつく。地球温暖化対策の精神を引き継ぐ京都で採択できたことを誇りに思う」と述べた。

 総会は8日から左京区の国立京都国際会館で開かれ、12日に方法論報告書を採択・受諾し、閉会した。

【 2019年05月13日 23時20分 】

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