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お約束

 来年の年賀はがきが発売された。もうそんな時季かと実感する。新たな風物詩もある。きょう31日の「ハロウィーン」だ。欧州の古代ケルト人の収穫祭と悪霊よけが起源とされ、カボチャをお化けの顔にくりぬいた独特の飾りが街で目に付くようになった▼日本では十数年前から遊園地の催しなどで広まり、魔女やゾンビといった仮装を楽しむ若者が増えている。関連商品の市場規模はバレンタインデーを上回る1100億円との推計もある▼「お菓子をくれないと、いたずらするよ」。怖い仮装は欧米の子どもたちが家々を回り、菓子をもらうのがお約束だからだ。芸妓がふん装する花街の節分行事「お化け」にも通じる▼そんな楽しい習わしならいいが、眉唾なのが政府が昨年に続き来月開く消費税率引き上げの点検会合だ。業界代表や学者を中心に各界42人から再増税の是非を聞く▼昨年も8%への増税判断前に開き、7割が予定通り実施を支持したと宣伝した。政府の人選だから当然だ。今回も安倍晋三首相がいう「総合的な判断」の材料にするのだろう▼出席者の約半数は同じ顔ぶれで、賛否は予想できる。聞きたいのは今春の増税後、続く消費冷え込みや実質賃金目減りをどう考えているかだ。またぞろ「景気対策をちょうだい」となるのもお約束か。

[京都新聞 2014年10月31日掲載]

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