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民主新代表

 きょうは「大寒」。暦の上で最も寒い日とされる。大寒を過ぎれば、暖かい春へ向けてじわりじわりと季節が動きだす▼この時季に寄せて高浜虚子が<一切の行蔵(こうぞう)寒にある思ひ>と詠んでいる。行蔵とは、世に進み出て手腕を振るうか、あるいは隠棲(いんせい)するか。つまり出処進退。行蔵の決意は、確かに厳寒に身をさらすようなものかもしれない▼民主党の新しい顔に岡田克也氏が選ばれた。党勢低迷は、あたかも「寒の内」。それでも新代表として手ごわい「1強」に立ち向かわねばならない。まさに虚子の句境か▼民主主義が機能するには健全な野党が欠かせない。野党がしっかりしないと為政者は調子に乗る。だからこそ民主党の責任は重い。岡田氏は「次の衆院選で与野党逆転を」と語るが、現状を直視すれば政権の受け皿には力不足だ▼ぶれない、群れないが岡田氏の真骨頂だ。が、決して「一枚岩」とは言えない党内を見渡せば、自ら訴えたように「多様な声にしっかり耳を傾ける」姿勢こそ肝要だろう▼最も冷え込む寒の内は、寒気を利用して、みそや酒などを仕込む季節でもある。さて、岡田氏はどんな仕込みで、ひと味違う民主党に立て直すのか。浮上のかじ取り役として試練の時。意を決して立ち向かうならば春も遠からじ、とエールを送りたい。

[京都新聞 2015年01月20日掲載]

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