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日和見

 日和見と聞くと小ずるく優柔な印象が先立つが、文字通り天気を見るのが本義だ。古来、農作業や漁、防災上も気象を知ることは最大関心事で、人の営みと切 り離せない▼現代なら天気予報で、きょうは京滋とも今年一番の暑さになるようだ。熱中症や農作物の管理、足の早い品の食中毒も注意したい▼食品流通では、 きめ細かな気象情報をロス削減に生かす試みが進んでいる。個々に仕入れ予測はされてきたが、店頭の売れ行きを把握する販売時点情報管理(POS)と日本気 象協会のデータを組み合わせ相関を探る▼夏場の冷やし中華のつゆは暑さのピーク前に販売が伸び悩み、豆腐は当日の気温より10日ほど前からの気温変化に関 係することが既に判明。生産段階から調整すれば売れ残りや返品にかかる温室効果ガスを3~4割減らせるという▼国内で食べられず廃棄される食品は年間 500万~800万トンに上り、全世界の食料援助量を上回る。世界中から買い集められた食材が売れるかどうか不確かな賭けの末、大量に捨てられている▼地球規模の人口増加や異常気象で食料需給は今後厳しさを増す。産業界と共に家庭でも、貴重な資源を無駄にせぬよう季節や地域に合った食のスタイルを広げた い。明日の空模様を見定め、様子見でなく行動が大切だ。

[京都新聞 2015年05月27日掲載]

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