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若者を前へ

 東京五輪をめぐって続く不祥事に、女子柔道の開拓者、山口香さんの辛辣(しんらつ)な言葉が本紙にあった。元首相や元官僚が要職を占める組織体制を指し「まさに年功序列。もっと若い人や女性は出てこないのか」。五輪に限らず、日本社会のあり様も突く▼先日成立した女性活躍推進法は、役所や企業で女性管理職を増やすことを目指す。一つの手段だろうが、目玉政策といわれると頼りない▼ただ男女差への意識があるだけましかもしれない。急速な高齢化と人口減で広がる世代間の格差には、政治も行政も無頓着に見える▼例えば地方創生。50年後に人口1億人を維持するため地方で知恵を集めるのが趣旨だろう。これまでの失策の果てに今の地方の疲弊があるとすれば、人心一新。次代を担う20~30代を協議の中心に据えるほどの大胆さを求めたいが、国や自治体に変化は見当たらず、出てくる案も焼き直しが目立つ▼若者活躍推進法がほしい。子を持つ親に選挙で2票を与えてはと、本紙で嘉田由紀子・前滋賀県知事が提案していたが、18歳に選挙権年齢を引き下げるのに合わせ、最初の10年は2票を与えて政治意識を高めてもらうのもいい。政治家も若者に目が向くだろう▼いや、50代の女性が総裁選に出るのさえ、よってたかって止める第1党では夢の夢か。

[京都新聞 2015年09月11日掲載]

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